Sightsong

自縄自縛日記

植松孝夫『Debut』

2017-04-05 00:01:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

植松孝夫『Debut』(TBM、1970年)を聴く。

植松孝夫 (ts)
藤井貞泰 (fender p)
鈴木良雄 (b)
ジョージ大塚 (ds)
今井尚 (tb) (track 3,4) 

長いこと演歌的な唄いが持ち味くらいに思っていたのだが、およそ20年ぶりにライヴを観てから、このテナーの独自さが素直に耳を通過し脳に届くようになった。不思議なものである。

本盤は植松孝夫のデビューアルバム。鈴木良雄、ジョージ大塚とメンバーが豪華であり、フェンダーがスタイリッシュでカッコいい。その中で、植松さんのテナーは、ジョン・コルトレーン、ジョー・ヘンダーソン、デクスター・ゴードン等、本人が言及するテナー奏者から様々な影響を取り込んで、まだ声の獲得前の混沌状態にいるように聴こえる。それでもマニッシュであり、タメもあり、実に良い音だ。

先日のライヴでは、演奏後に、ジョー・ヘンダーソン『Inner Urge』に合わせて戯れに少し吹いてくれた。その痺れる感覚はしばらく忘れることはないだろう。

●植松孝夫
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
本田竹広『EASE / Earthian All Star Ensemble』(1992年)
『山崎幹夫撮影による浅川マキ文芸座ル・ピリエ大晦日ライヴ映像セレクション』(1987-92年)
浅川マキ『アメリカの夜』(1986年)