Sightsong

自縄自縛日記

ポール・ブレイ『Synth Thesis』

2017-04-25 07:20:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

ポール・ブレイ『Synth Thesis』(Postcards、1993年)を聴く。

Paul Bley (syn, p)

本盤で、ポール・ブレイが、アネット・ピーコックと組んでのシンセサイザー・ショー(アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』、1970年)以来20数年ぶりにシンセサイザーを弾いたということのようだ。

そのときの記録は、他のミュージシャンがどのようにシンセを弾くのかとは無関係にあれこれと試していて面白くもあった。ここではひとり、アツアツで一緒に愉しむ相方がいなくても、ブレイは玩具箱から好きなものを取り出すようにシンセを弄んでいる。

その要素だけをいま聴くと安っぽかったりもするのだが、ブレイの音楽のなかではそんなことはどうでもよくなってしまう。シンセサウンドの合間に、ブレイの美的感覚に溺れるようなピアノが聴こえてくると、まるで雲のなかから光が射しこむような印象を覚える。

●ポール・ブレイ
ポール・ブレイ『Solo in Mondsee』(2001年)
ポール・ブレイ『Homage to Carla』(1992年)
ポール・ブレイ『Plays Carla Bley』(1991年)
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』(1990年)
チェット・ベイカー+ポール・ブレイ『Diane』(1985年)
イマジン・ザ・サウンド(1981年)
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
ポール・ブレイ『Barrage』(1964年)
ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』(1962-63年)