ジョージ川口『Plays Herbie Hancock』(King Record、1987年)を聴く。
George Kawaguchi ジョージ川口 (ds)
Terence Blanchard (tp)
Donald Harrison (as, ts, bs)
Hideo Ichikawa 市川秀男 (p)
Cyrus Chestnut (p)
Takashi Mizuhashi 水橋孝 (b)
何も和ジャズでレアグルーヴでといった代物ではなく、80年代ジャズの匂いがぷんぷんするサウンド。特にアメリカの3人は出てきて勢いがあった頃であり、かれらを日本のヴェテランが起用する面白さを狙った作品ということである。うわなんじゃこれという目新しさや鮮烈さは無い。
とは言っても、なかなか聴き所があって面白いのだ。ジョージ川口はいかにもジョージ、遮二無二、どうだとばかり叩きまくり、特に「The Eye of the Hurricane」なんて押されまくる。昔のプロ野球の映像を観ているような感覚。
テレンス・ブランチャードも巧くて良いのだが、やはり個人的にはドナルド・ハリソン。特に「Watermelon Man」や「Maiden Voyage」でのソロなんて、じんわりと味が滲みだして大好きである。これは昔も今も変わらないキャラに違いない。ふたたびテレンス・ブランチャードのように大舞台に戻ってきてほしいが、かれのようにトレンド的にウケることなんてしないんだろうな。
●テレンス・ブランチャード
テレンス・ブランチャード『Breathless』(2015年)
テレンス・ブランチャード『Magnetic』(2013年)
●サイラス・チェスナット
サイラス・チェスナット『Earth Stories』、最近の演奏(1996年-)
●水橋孝
ジョージ大塚『Sea Breeze』(1971年)
●市川秀男
ジョージ大塚『Sea Breeze』(1971年)
菊地雅章『POO-SUN』(1970年)