Sightsong

自縄自縛日記

阿部薫+山崎弘『Jazz Bed』

2017-05-30 23:50:12 | アヴァンギャルド・ジャズ

阿部薫+山崎弘『Jazz Bed』(P.S.F Records、1971年)を聴く。

Kaoru Abe 阿部薫 (as)
Hiroshi Yamazaki 山崎弘 (ds)

このエネルギーに満ちたアルト演奏を聴いても、やはり阿部薫はわたしにはピンとこない。ここに書いた理由によるものなのかどうかよくわからない。1曲目では「Chim Chim Cher-ee」、2曲目では「アカシアの雨がやむとき」を引用したりもするのだが、同じ理由であまりわたしにとっては意味をなさない。先日来日したメテ・ラスムセンはレコ屋で阿部薫を買ったと話していた。彼女の耳にはどう聴こえるのだろう。

それはともかく、山崎弘(現・山崎比呂志)である。ここで、阿部薫に追従するのに一本調子ではなく、スピーディーに音の貌を変え、多様な印象を与えるドラミングである。今年新宿ピットインで観た山崎さんは、スピードはさほどでなくても、実にカラフルな音を聴かせてくれた(山崎比呂志 4 Spirits@新宿ピットイン)。その要素はすでにここにあった。

●阿部薫
1977年の阿部薫
(1977年)

●山崎比呂志
山崎比呂志 4 Spirits@新宿ピットイン(2017年)


ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』

2017-05-30 22:16:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(Bab-Ili、2003年)を聴く。

Tetsu Saitoh 齋藤徹 (b)
Kazuo Imai 今井和雄 (g)
Kazue Sawai 沢井一恵 (koto)
Lê Quan Ninh (perc)
Michel Doneda (ss, sopranino sax)

以前エアジンで、齋藤徹さんがくださった(ありがとうございます)。かなり珍しいもののはずである。

アンコールに応えての短い演奏を含め、およそ1時間、常ならぬ音が持続する。一聴して目立つのはミシェル・ドネダのサックスであり、抗い難い自然の力であるかのように、強い擦れ音とともに場に介入する。しかし、他の4人の強度もドネダに平然と伍する。レ・クアン・ニンのパーカッションはフォルムを決めないようにして大波を生み出している。そして齋藤徹・今井和雄・沢井一恵の弦3人が創出する、その都度異なる周波数の重なりとうなりの強さといったらない。

この7月にはミシェル・ドネダとレ・クアン・ニンとが再来日し、テツさんとともに「MLTトリオ」として演奏する。テツさんは、わたしが去年入院している間、いろいろと心強い気持ちになるメッセージをくださった(ご自身のほうがもっとたいへんなはずなのに)。わたしがここにこんなことを書いても、心配しても、なんにもならない。とにかく心待ちにしている。

>> MLTトリオ・ツアー日程

●齋藤徹
齋藤徹@バーバー富士(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
りら@七針(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹の世界・還暦記念コントラバスリサイタル@永福町ソノリウム(2016年)
かみむら泰一+齋藤徹@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
齋藤徹・バッハ無伴奏チェロ組曲@横濱エアジン(2016年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年) 
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)
齋藤徹『Contrabass Solo at ORT』(2010年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999、2000年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、池澤夏樹『眠る女』、齋藤徹『パナリ』(1996年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出(1993、1994年)
ジョゼフ・ジャーマン 

●今井和雄
”今井和雄/the seasons ill” 発売記念 アルバム未使用音源を大音量で聴くイベント・ライブ&トーク@両国RRR(2017年)
第三回天下一Buzz音会 -披露”演”- @大久保ひかりのうま(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
今井和雄『the seasons ill』(2016年)
Sound Live Tokyo 2016 マージナル・コンソート(JazzTokyo)(2016年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
坂田明+今井和雄+瀬尾高志@Bar Isshee(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
今井和雄 デレク・ベイリーを語る@sound cafe dzumi(2015年)
今井和雄、2009年5月、入谷
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
バール・フィリップス@歌舞伎町ナルシス(2012年)(今井和雄とのデュオ盤)

●沢井一恵
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出
ジャズ的写真集(6) 五海裕治『自由の意思』

●ミシェル・ドネダ
ミシェル・ドネダ『Everybody Digs Michel Doneda』(2013年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
ロル・コクスヒル+ミシェル・ドネダ『Sitting on Your Stairs』(2011年)
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ミシェル・ドネダ『OGOOUE-OGOWAY』(1994年)

●レ・クアン・ニン
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)