阿部薫+山崎弘『Jazz Bed』(P.S.F Records、1971年)を聴く。
Kaoru Abe 阿部薫 (as)
Hiroshi Yamazaki 山崎弘 (ds)
このエネルギーに満ちたアルト演奏を聴いても、やはり阿部薫はわたしにはピンとこない。ここに書いた理由によるものなのかどうかよくわからない。1曲目では「Chim Chim Cher-ee」、2曲目では「アカシアの雨がやむとき」を引用したりもするのだが、同じ理由であまりわたしにとっては意味をなさない。先日来日したメテ・ラスムセンはレコ屋で阿部薫を買ったと話していた。彼女の耳にはどう聴こえるのだろう。
それはともかく、山崎弘(現・山崎比呂志)である。ここで、阿部薫に追従するのに一本調子ではなく、スピーディーに音の貌を変え、多様な印象を与えるドラミングである。今年新宿ピットインで観た山崎さんは、スピードはさほどでなくても、実にカラフルな音を聴かせてくれた(山崎比呂志 4 Spirits@新宿ピットイン)。その要素はすでにここにあった。
●阿部薫
1977年の阿部薫(1977年)
●山崎比呂志
山崎比呂志 4 Spirits@新宿ピットイン(2017年)