Sightsong

自縄自縛日記

安ヵ川大樹『神舞』

2017-07-31 23:20:56 | アヴァンギャルド・ジャズ

安ヵ川大樹『神舞』ダイキムジカD-neo、2012年)を聴く。

Daiki Yasukagawa 安ヵ川大樹 (b)
Koichi Sato 佐藤浩一 (p)
Manabu Hashimoto 橋本学 (ds)

まったく奇を衒わないピアノトリオ。破綻と背中合わせの興奮など無いのだが、そんなものとは関係のないスリリングさがある。

録音が何しろ気持ちよく、近所迷惑なくらい音量を上げるとちょっと陶然とする。それも全員の発する音が美しいからである。佐藤浩一というピアニストがスーパーであることは多くの人が知っているが、こうして繰り返して聴くとやはり良い。そのうち機会を見つけてまた演奏を観に行くことにしよう。

タイトルの「神舞」は、山口県・祝島の伝統行事をイメージしながら書かれた曲であり、そのことだけでも嬉しくなろうというものだ。

●安ヵ川大樹
安ヵ川大樹+高田ひろ子@本八幡Cooljojo(2016年)
安ヵ川大樹+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)

●佐藤浩一
小沼ようすけ+グレゴリー・プリヴァ、挟間美帆 plus 十@Jazz Auditoria(2017年)
rabbitoo@フクモリ(2016年)
rabbitoo『the torch』(2015年)
福冨博カルテット@新宿ピットイン(2015年)


ジョン・スティーヴンス+トレヴァー・ワッツ+バリー・ガイ『No Fear』

2017-07-31 21:02:13 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョン・スティーヴンス+トレヴァー・ワッツ+バリー・ガイ『No Fear』(Spotlite Records、1977年)を聴く。

John Stevens (ds)
Trevor Watts (as)
Barry Guy (b)

ジョン・スティーヴンスは細かく乱反射するフラグメンツを次々に積み上げて帝国を構築する。バリー・ガイのベースはかちかちに固いばかりではなくときに柔軟にもなり、この懐の深さが魅力か。そしてトレヴァー・ワッツは、ノア・ハワードにも通じるような哀愁ど演歌を、激熱にぼこぼこと泡立たせながらあちらこちらへと航空ショーをみせる。

「No Fear」とは絶妙なタイトルを付けたものだ。恐れ知らずの3人が猛獣のように突き進む。フリージャズの檻の中ではあるが、そのようなことは関係がない。ノーフィアー!

●バリー・ガイ
ガイ+クリスペル+リットン『Deep Memory』(2015年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
マッツ・グスタフソン+バリー・ガイ『Frogging』(1997年)
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』(1993年)


ジェーン・アイラ・ブルーム『Mighty Lights』

2017-07-31 01:09:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジェーン・アイラ・ブルーム『Mighty Lights』(Enja、1982年)を聴く。

Jane Ira Bloom (ss)
Charlie Haden (b)
Ed Blackwell (ds)
Fred Hersch (p)

いま聴くと、チャーリー・ヘイデンやエド・ブラックウェルは、ライジング・サンを盛り立てる役を担っていたのかなと思える。特にヘイデン。若くて勢いがあったジェリ・アレンやゴンサロ・ルバルカバやベキ・ムセレクと共演し、煽り、素晴らしいアルバムを創り上げていた。そしてジェーン・アイラ・ブルームはこのときまだ20代。

その意味でヘイデンやブラックウェルの存在感が大きいのは当然のことである。ヘイデンは残響感とスピードの両方を維持して、主役がもう逃げられない領域に持っていく。ブラックウェルのお祭りのようなズンドコ太鼓もいい。そしてフレッド・ハーシュは借りてきた猫のようなものかと思いきや、強い出足で介入してくるところなんて、さすがビリー・ハーパーを支えたピアニストである。

もちろんブルームも良くて、ストレートなプレイだけではない。彼女のソプラノはとても表情豊かで、特に、クルト・ワイルの「Lost in the Stars」において繊細に震えるヴィブラートを効かせたプレイなどは本盤の白眉。

●チャーリー・ヘイデン
チャーリー・ヘイデンLMO『Time/Life』(2011、15年)
アルド・ロマーノ『Complete Communion to Don Cherry』とドン・チェリーの2枚(1965、88、2010年)
パット・メセニーとチャーリー・ヘイデンのデュオの映像『Montreal 2005』(2005年)
チャーリー・ヘイデンとアントニオ・フォルチオーネとのデュオ(2006年)
アリス・コルトレーン『Translinear Light』(2000、04年)
Naimレーベルのチャーリー・ヘイデンとピアニストとのデュオ(1998、2003年)
ギャビン・ブライヤーズ『哲学への決別』(1996年)
チャーリー・ヘイデン+ジム・ホール(1990年)
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』(1990年)
ゴンサロ・ルバルカバ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン(1990年)
ジェリ・アレン+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Segments』(1989年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 再見(1985年)
チャーリー・ヘイデン+ヤン・ガルバレク+エグベルト・ジスモンチ『Magico』、『Carta De Amor』(1979、81年)
富樫雅彦『セッション・イン・パリ VOL. 1 / 2』(1979年)
70年代のキース・ジャレットの映像(1972、76年)
キース・ジャレットのインパルス盤(1975-76年)
キース・ジャレット『Arbour Zena』(1975年)
アリス・コルトレーン『Universal Consciousness』、『Lord of Lords』(1971、72年)
キース・ジャレット+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Hamburg '72』(1972年)
オーネット・コールマン『Ornette at 12』(1968年)
オーネット・コールマンの最初期ライヴ(1958年)
スペイン市民戦争がいまにつながる

●エド・ブラックウェル
エド・ブラックウェル『Walls-Bridges』 旧盤と新盤(1992年)
カール・ベルガー+デイヴ・ホランド+エド・ブラックウェル『Crystal Fire』(1991年)
エド・ブラックウェルとトランペッターとのデュオ(1969、89年)
デューイ・レッドマン『Live』(1986年)
マル・ウォルドロンの映像『Live at the Village Vanguard』(1986年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 再見(1985年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像(1985年)
映像『Woodstock Jazz Festival '81』(1981年)
『Interpretations of Monk』(1981年)
ウィルバー・ウェア『Super Bass』(1968年)
アルド・ロマーノ『Complete Communion to Don Cherry』とドン・チェリーの2枚(1965、88、2010年)
エリック・ドルフィー『At the Five Spot』の第2集(1961年)