マシュー・ウェルチ+ジェレマイア・サイマーマン『Bardo Thodol』(Kotekan Records、2016年)を聴く。
Matthew Welch (as)
Jeremiah Cymerman (cl)
バグパイプなど様々な楽器を扱うマシュー・ウェルチだが、ここではアルトサックスに専念している。ジェレマイア・サイマーマンはやはりクラリネット。エフェクトは使われていない。
曲目としては、ジャチント・シェルシ、オーネット・コールマン、モートン・フェルドマン、ピエール・ブーレーズ、アルノルト・シェーンベルクといった音楽家たちに捧げられたものが並べられている。現代音楽の作曲家たちのことはあまり知らないのだが、それぞれの作風を意識したように聴こえなくもない。
ただむしろ、このストイックなデュオにおいて、クラリネットとアルトサックスとが多様な演奏において楽器特有の音を出し、絡み合っては離れ、重なりあいや離脱の瞬間にその旨みが浮上したり、うなりを生じたりするショーケースとなっている面白さがある。
●ジェレマイア・サイマーマン
「JazzTokyo」のNY特集(2017/12/1)