Sightsong

自縄自縛日記

東京中央線 feat. 謝明諺@新宿ピットイン

2018-06-28 07:34:53 | アヴァンギャルド・ジャズ

前日Ftarriで観た謝明諺の演奏が印象に残り、台湾に戻る前のラストギグだというので、新宿ピットインにも足を運んだ(2018/6/27)。

Tokyo Chuo-Line 東京中央線:
Ken Ohtake 大竹研 (g)
Toru Hayakawa 早川徹 (b)
Noriaki Fukushima 福島紀明 (ds)
Guest:
Minyen "Terry" Hsieh 謝明諺 (ts, ss)

開演前の謝さんはやはり目を爛々と光らせて笑っており、この生命力のようなものが演奏時のキャラだったりもするのだ。ベースの早川さんに紹介してくれてなぜかがっちり握手をした。東京中央線は台湾での活動が多く、この名前も台湾で誤解のようにして定着したものであるらしい。その縁での謝さんか。

今回はじめて東京中央線のライヴを観るのだが、勝手な予想よりもはるかに愉しく刺激的なものだった。大竹研のギターは太く光っていながらもエラスティックにぐにゃぐにゃと曲る。福島紀明のドラムスはとても力強いビートで絶えずバンドを鼓舞する。そして最強のトリックスター・早川徹は、飛び跳ねたりもしながら、愉快なグルーヴを創りだしている。ふと上村勝正のベースを思い出したところ、上村さんも客席の後ろに居た。

謝明諺のテナーはとても巧く、豪放でユーモラスでもあり、ときにソニー・ロリンズやマイケル・ブレッカーの影が見え隠れした。やはりジャズなのだが、その一方で、前日のFtarriでのインプロのようなことも軽々とやっている。なんて振れ幅! ソプラノでの表現は、そういったジャズ的というよりも、声のように効果を付け加えるためのツールとして使っているように思えた。

こうなると台湾のシーンにも興味が沸いてこようというものだ。謝さんに訊くと、台北や高雄に良いヴェニューはあるが少ないとのことだった。

●謝明諺
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri