オノセイゲン+パール・アレクサンダー『Memories of Primitive Man』(Sony Music Labels、2015年)を聴く。
Seigen Ono オノセイゲン (sound)
Pearl Alexander (b)
てっきり、パール・アレクサンダーのコントラバスをサウンドでくるんだようなものかと思っていた。はじめは何の気なしに小さめの音量で流していたのだが、何かおかしい。あらためで音量を上げてみると、サウンドの宝物がそこかしこに転がされ並べられていた。
もちろんアレクサンダーのベースの表現力にもじっと聴き取るべきものが多い。深い弦の音もさることながら、チェロやヴァイオリンに聴こえる音もすべてコントラバスによるものだという。これらのハーモニクスや響きに耳をゆだねていると、コントラバスとは人間の楽器なのだなと思えてくる。
オノセイゲンの創り出すサウンドは洗練され、きめ細やかであり、まるで森林の中でさまざまな匂いや水蒸気を身体中に浴びているようだ。マナウスの熱帯雨林におけるフィールド録音や、女性の声や、ダンスのステップや、ナナ・ヴァスコンセロスのハイハットまでがミックスされている。本人のギターも良い。
いやこれは動悸動悸する。浄化されている気にさえなってくる。もっと良いオーディオ・システムで体感したい。
●パール・アレキサンダー
Marimba & Contrabass Duo @喫茶茶会記(2017年)
ジョン・ブッチャー@横浜エアジン(2013年)(欠席)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)