カンタン・ロレ+ノエル・アクショテ『The Return of Q. & A』(2015年)を聴く。
Quentin Rollet (as, ss)
Noël Akchoté (g)
ノエル・アクショテが過去の音源を狂ったようにbandcampでリリースし続けており、最近、こんなものもあった。カンタン・ロレは90年代にフランスのrectangleレーベルで目立ち、その後、よくわからなかった人である。しかし今や、アクショテに紐づいていなくても、活動をし続けていることがわかる。デジタル空間に生きる身体と音、グレッグ・イーガンみたいだな。
そんなわけでロレとアクショテとの2015年のデュオ。ロレは力を抜いてふにゃふにゃと揺れ動く音色を提示し、何かの形を作るつもりは毛頭なさそうである。ちょっと脱力ぶりがロル・コクスヒルを思い出させもするが、そこまで肩の力が抜けまくってはいない(アクショテがコクスヒルとロレとのリンクなわけか)。アクショテはフレーズ勝負ではなく、何か音を発してはそれを宙ぶらりんにすべく保持し、また重ね合わせる。
●カンタン・ロレ
『MOSQ』(2001年)
カンタン・ロレ、レクタングル(1994、97年)
●ノエル・アクショテ
フィル・ミントン+ロル・コクスヒル+ノエル・アクショテ『My Chelsea』(1997年)
コクスヒル/ミントン/アクショテのクリスマス集(1997年)
ルイ・スクラヴィス+ティム・バーン+ノエル・アクショテ『Saalfelden '95』(1995年)