Sightsong

自縄自縛日記

『けーし風』読者の集い(38) 法と沖縄

2019-08-04 09:34:22 | 沖縄

『けーし風』第103号(2019.7、新沖縄フォーラム刊行会議)の読者会に参加した(2019/8/3、池袋の会議室)。参加者は5人。

話題は以下のようなもの。

●辺野古の埋立に対する裁判。沖縄防衛局が私人になりすまし、それに応じて国交大臣が沖縄県の埋立承認撤回を違法とする採決があった。これに対して、沖縄県は、沖縄防衛局が私人ではないとして、関与取消訴訟を提起(高裁)。また、県、住民側それぞれから、その採決自体を取り消す訴訟を提起(地裁)。いずれも国が敗訴すれば埋立を進めることはできない。
●デニー知事は県の各部局に対し、裁判の判決が出るまで判断も手続きも行わないよう指示。一方の国は埋立を中止していない現状がある。
●ただし、埋立自体は実質的に進んではいない(軟弱地盤の問題)。工期も予算もわからない工事。
●埋立を行う土砂については、いまだ、外来種対策がなされていない。それに加え、海砂を入れる方針となった(瀬戸内や熊本は条例で不可能、となると玄界灘や沖縄か)。鉱滓を入れる可能性もある。こんなことをろくな環境影響評価もなく強行しようとしている。
●埋立用土砂の岩ズリについては、沖縄防衛局が入札を行い、琉球セメント1社のみが応札・落札した。通常の単価よりかなり高く、1社入札になったことの不透明が指摘された(>>リンク)。しかし、「本土」で報道したメディアはほとんどなかった。これが判明したのも、 沖縄平和市民連絡会・北上田毅さんの情報公開請求など地道な取り組みがあったからである。
●新城郁夫氏は、先の県民投票について、力を持つのは少数者の妨害であるという理由で違和感があったと書いている。しかし両者は別の話であり論旨がおかしいのではないか。
●米軍が行うことについては、日本の司法では、米軍という第三者に法的な規制をする判決ができないとしている(「第三者行為論」)。しかしそうだとすると、基地が作られてしまうと、騒音や安全上の問題などについて住民が米軍や国に提訴しても却下されることになってしまう。この点からも、日本の司法は独立していない。
●普天間の跡地利用について、伊波洋一市長時代の宜野湾市において委員会も設置し、素案を作っている。というのは、読谷村の「象のオリ」も、多数の地主がいてどうにもならず、返還されても有効利用されていない事例がある。それを踏まえ、個々の地主の調整も考慮しているはずである。
●その一方で、吉本興業がここに一枚噛んでいるとの報道があった。国際通りの三越跡でも若手芸人の発表の場を作るなどしており、沖縄にかなり入り込んでいるとのこと。さてどうなるか。

映画・本など
藤井道人『新聞記者』
吉浜忍、林博史、吉川由紀『沖縄戦を知る事典』(吉川弘文館)
森口豁『紙ハブと呼ばれた男 沖縄言論人・池宮城秀意の反骨』(彩流社)
井上清『元号制批判』(明石書店)※入手困難

参照
『けーし風』 


板橋文夫@東京琉球館

2019-08-04 07:24:15 | アヴァンギャルド・ジャズ

駒込の東京琉球館(2019/8/3)。

Fumio Itabashi 板橋文夫 (p, melodica, perc)
Guest: 
Tetsushi Nemoto 根本哲史 (melodica, perc)

この親密な空間での板橋文夫さんのソロとなれば駆けつけないわけにはいかない。

久しぶりに至近距離で観ると、ピアノを潰さんばかりの剛腕にあらためて驚かされる。嵐の中に抒情がある、というか、嵐そのものが抒情になっているというか。オリジナルの「Last Summer」、ヴィクトル・ハラの「平和に生きる権利」、コルトレーンの「Naima」、タイの精霊流しの歌、「八木節」、沖縄民謡の「安里屋ユンタ」などを演って、途中で若いピアニストの根本哲史さんも参入した。最後は「渡良瀬」、そして「グッドバイ」。

なんにしても衰えない板橋さんのスタイルであり感動するなと言われても感動する。終わってからお店の陽子さんの料理や板橋さんの妹さんの差し入れなどをいただいて愉しい時間を過ごした。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●板橋文夫
森山威男 NEW YEAR SPECIAL 2019 その1@新宿ピットイン(2019年)
森山威男3Days@新宿ピットイン(2017年)
板橋文夫@東京琉球館(2016年)
森山威男@新宿ピットイン(2016年)
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
森山・板橋クインテット『STRAIGHTEDGE』(2014年)
寺田町+板橋文夫+瀬尾高志『Dum Spiro Spero』(2014年)
板橋文夫+李政美@どぅたっち(2012年)
立花秀輝『Unlimited Standard』(2011年)
峰厚介『Plays Standards』(2008年)

板橋文夫『ダンシング東門』、『わたらせ』(2005、1981年)
板橋文夫『うちちゅーめー お月さま』(1997年)
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』(1980、1990年)