ブランフォード・マルサリス『The Secret Between The Shadow And The Soul』(Marsalis Music、2018年)を聴く。
Branford Marsalis (sax)
Joey Calderazzo (p)
Eric Revis (b)
Justin Faulkner (ds)
最近ではブランフォード・マルサリスが話題になることも少ないし、このアルバムも出ていたことにしばらく気がつかなかった。
それにはやはり理由があって、2010年代のジャズの動きに敢えて背を向けているように見えること、またブランフォード自身のサックスやバンドのスタイルを変えていないことが大きい。かつてブランフォードが先鋭的に聴こえたのは80年代から90年代のピアノレストリオ(『Trio Jeepy』や『The Dark Keys』)だとか、R&Bやヒップホップと仲間になろうとしたアルバムだとか、だった。
本盤は典型的なカルテットで、驚いたことに、アンドリュー・ヒル(「Snake Up Waltz」)やキース・ジャレット(『Belonging』の「The Windup」!)も演奏している。しかしすべてブランフォードの、というか、マルサリスのスタイルだ。ヒルの歪みもキースの人外感もない。
でも好きである。ブランフォードのサックスはなめらかで巧く惚れ惚れするし、ジョーイ・カルデラッツォは今もまだ溌剌としている。ホントに高品質なサウンドで決して退屈ではない。
●ブランフォード・マルサリス
及部恭子+クリス・スピード@Body & Soul(2015年)
エリック・レヴィス『In Memory of Things Yet Seen』(2014年)
ハリー・コニック・ジュニア+ブランフォード・マルサリス『Occasion』(2005年)
デイヴィッド・サンボーンの映像『Best of NIGHT MUSIC』(1988-90年)