キース・ジャレット『Tribute to Miles』(Jazz Time、1992年)を聴く。
Keith Jarrett (p)
Gary Peacock (b)
Jack DeJohnette (ds)
このスタンダーズ・トリオにより、亡くなったばかりのマイルス・デイヴィスに捧げる『Bye Bye Blackbird』が吹き込まれたのが1991年10月12日。リリースされた盤を聴いたとき、あまりにもキースのプレイがシンプルになっていて、肩すかしをくらった気がした。わたしは絢爛豪華なキースのピアノが好きだった。
とは言え特別な存在であるから、1993年7月25日のよみうりランドのコンサートには駆けつけた。そのときの印象もアルバムとはさほど変わらない。だが四半世紀が経っても忘れられない、悦びに満ちたライヴだった。そしてこの2枚組の盤は、よみうりランドからちょうど1年前の録音なのだ。
ちょっと驚いたことに、91年と93年の間にあって、それらよりもアグレッシブだ。キースも揺れ動いていたのかもしれない。キースの弾く「Basin Street Blues」は『At The Deer Head Inn』(1992年9月16日)における演奏がとても好きだが、それは珍しくドラムスがポール・モチアン。本盤のジャック・デジョネットとの違いがサウンドの違いそのものであるように思える。
●キース・ジャレット
キース・ジャレット『Festival de jazz d'Antibes 1985』、『Canada '84 Japan '86』、『Live in Sendai 1986』(1985-86年)
キース・ジャレット『North Sea Standards』(1985年)
キース・ジャレット『Standards Live』(1985年)
ピーター・ブルック『注目すべき人々との出会い』、クリストのドキュ、キース・ジャレットのグルジェフ集 (1980年)
キース・ジャレット『Staircase』、『Concerts』(1976、81年)
キース・ジャレット『Eyes of the Heart』(1976年)
キース・ジャレットのインパルス盤(1975-76年)
キース・ジャレット『Arbour Zena』(1975年)
キース・ジャレット『Solo Performance New York '75』(1975年)
キース・ジャレット『The New York Concert』(1975年)
キース・ジャレット『The Bremen Concert』(1975年)
70年代のキース・ジャレットの映像(1972、76年)
1972年6月のキース・ジャレット・トリオ(1972年)
キース・ジャレット+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Hamburg '72』(1972年)
キース・ジャレット『Facing You』(1971年)
チャールス・ロイド『Live... 1966』(1966年)