2007年7月10日 テクノクライシスではないけれど…

　ちょっと残業で疲れると、ふとネガティブな思いが頭をよぎる。

　例えばそれがコンピュータシステムであれ、高速大量輸送システムであれ、開発した人間は技術の追究だけでなく、世のため人のためを思い「これが出来れば社会はこのように便利になる」という信念を持って業務に取り組む場合が多い…と信じたい。

　で、ちょっと考えれば分かることだけど、そうやってどんどん便利になることが本当に世のためか、ふと立ち止まって考え込んでしまう事がある。人様の役に立つと思ってやってきたことが、実は人様を不幸にしているんではないかと言う不安。

　東海道新幹線が出来て、東名阪は相互に日帰り圏内となった。もちろん、仕事は早く回りそうだ。その代わり、出先でお客様とゆっくり飲んだり、ちょっと時間を作ってご当地の名所に寄ったりする時間は減ったかもしれない。家族はお父さんが毎日帰ってきてくれて嬉しいだろうけど。九州新幹線が出来て、九州内は福岡中心の日帰り圏内と化し、熊本や鹿児島では営業所の廃止(福岡への統合)が多いと聞く。いわゆる「ストロー現象」だ。

　パソコン通信からインターネットへ、我々が居ながらにして得られる情報は飛躍的なんて言葉が陳腐なほどその量が増えた。事情で出かけられない人も多くの情報が簡単に手に入るようになった。一方で裏サイトやアダルトサイト、ウィルス蔓延やフィッシング、いろいろなトラブルも起こり、教育面でも影響が論じられたりしているように見える。

　だからと言って駕籠に飛脚便の時代に戻れと言うつもりはない。世の中のモノすべて、明るい面と暗い面、あるのが当たり前。そして明るい面の方が大きいからこそ、技術は世に受け入れられているはずだから。ただ、暗い面についても忘れないで居たいね、、、と。