本書のサブタイトルは「鉄路を走り続けた男 佐伯勇伝」である。言わずと知れた、近鉄を一大コンツェルンに育て上げた人物。東急の五島、阪急の小林と比べてどうか?そういう観点で本書を読むのは流れとして当然であろう。
正直いって近鉄は殆ど知らない。乗ったこともあまりない。おかげで「未乗車区間」はトップ、いまや我がのりつぶし最大の難敵なのだ。なんで紀伊半島を縦断して広範に無秩序に(と見える)路線網が広がるのか。そのわけ、他社を吸収していった経緯の一端を本書で窺い知ることができた。多角経営の過程も少しは分かった。
でもやはり、メインは鉄道。人々の心を明るくしたビスタカーには胸が熱くなる。風水害を逆手にとった改軌工事など、うならずにはいられない。それらは運という一文字で言い表されるものでなく、常に鉄道を、事業を考えていた人だからこそ為し得たと素直に感心できる。なんか「強盗慶太」に比べ、イヤミな感じを受けないんだよね(もちろん実際は知らない)。
近鉄の未乗区間、残り約230km(45%)。乗りに行く時は、偉大な経営者とこの本を思い出しながらいこう。
2008年6月12日 自宅にて読了
正直いって近鉄は殆ど知らない。乗ったこともあまりない。おかげで「未乗車区間」はトップ、いまや我がのりつぶし最大の難敵なのだ。なんで紀伊半島を縦断して広範に無秩序に(と見える)路線網が広がるのか。そのわけ、他社を吸収していった経緯の一端を本書で窺い知ることができた。多角経営の過程も少しは分かった。
でもやはり、メインは鉄道。人々の心を明るくしたビスタカーには胸が熱くなる。風水害を逆手にとった改軌工事など、うならずにはいられない。それらは運という一文字で言い表されるものでなく、常に鉄道を、事業を考えていた人だからこそ為し得たと素直に感心できる。なんか「強盗慶太」に比べ、イヤミな感じを受けないんだよね(もちろん実際は知らない)。
近鉄の未乗区間、残り約230km(45%)。乗りに行く時は、偉大な経営者とこの本を思い出しながらいこう。
2008年6月12日 自宅にて読了