ここのところ読書から遠ざかっていたのが、突然スイッチが入った。仕事とか私生活の忙しさとか、特に変わったことはないのに不思議なものだ。
ひところ有名になった木更津のダンプ街道だが、羽田沖合い展開もアクアラインも終わったし何より以前に比べれば取締り厳しくなったし、最近は落ち着いてるよナァ(無くなったとは言わない)と思いつつ本書をとった。四半世紀前の調査・取材であるから、やはり「旬」に読まないとダメかなぁ?
本書の優れたところはダンプの走行過多による周辺の被害を数値的に調査した点もあるが、「加害者」たるダンプ運転手の労働環境にも触れている点ではなかろうか。盗人にも三分(五分?)の理とは言うが。
昨今の日本では過積載車両が減り、走行環境が整備されたことでこの当時ほどのトラック公害は改善されたように思える。しかし、トラックを走らせる業界の構造など、今も大して変わっていないように思える。長時間運転による過労が引き起こす事故は枚挙に暇が無い。長距離便に限らず宅配便、軽トラによる小口運送なども全て、荷主による運賃引き下げ要求や燃料高騰のしわ寄せが末端の運転手に行っていないか、そう思わざるを得ない。
根は深く、真の改善の気配は見られない。ちょっと絶望的な気分にさせられるのは、もちろん本書が駄作でないことの証明だ。
2009年7月17日 自宅にて読了
ひところ有名になった木更津のダンプ街道だが、羽田沖合い展開もアクアラインも終わったし何より以前に比べれば取締り厳しくなったし、最近は落ち着いてるよナァ(無くなったとは言わない)と思いつつ本書をとった。四半世紀前の調査・取材であるから、やはり「旬」に読まないとダメかなぁ?
本書の優れたところはダンプの走行過多による周辺の被害を数値的に調査した点もあるが、「加害者」たるダンプ運転手の労働環境にも触れている点ではなかろうか。盗人にも三分(五分?)の理とは言うが。
昨今の日本では過積載車両が減り、走行環境が整備されたことでこの当時ほどのトラック公害は改善されたように思える。しかし、トラックを走らせる業界の構造など、今も大して変わっていないように思える。長時間運転による過労が引き起こす事故は枚挙に暇が無い。長距離便に限らず宅配便、軽トラによる小口運送なども全て、荷主による運賃引き下げ要求や燃料高騰のしわ寄せが末端の運転手に行っていないか、そう思わざるを得ない。
根は深く、真の改善の気配は見られない。ちょっと絶望的な気分にさせられるのは、もちろん本書が駄作でないことの証明だ。
2009年7月17日 自宅にて読了