日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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「特急“燕”とその時代」展

2009-11-11 22:29:40 | 本・映画・展覧会
 汐留に出張した帰り、ちょっと寄り道して「旧新橋停車場」へ。今月までやってる興味深い展示を観てゆく。「つばめ」は知ってても「燕」は知らない世代なんだが、当時のパネルや上映画像は十分に興味深いものだった。

 プロジェクトXじゃないが、新線敷設や車両新造を行うことなく、路盤強化、信号方式、運転形態といった細々とした改良や工夫の積み重ねで「東京⇔大阪8時間」を実現した経緯はいかにも日本的であり、トヨタ式カイゼン運動の原点ではないかとも思える。

 東海道本線(在来線)の優等列車が壊滅状態ないま、仮に東京~大阪間を普通列車で行くと何時間かかるか、調べてみると乗換え含め概ね9時間強。JRハイウェイバス「東海道昼特急」なら7時間台~8時間ほどで運転しているので、乗換えなしの時間感覚ではこちらの方が近いが、冷暖房完備でシートも現代のバスはそれなりに快適だが「燕」車内のゆったり感、展望車の車窓、食堂車、ボーイなど望むべくもない。

 2009年11月5日 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室にて観覧
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森功著 「血税空港」(幻冬社新書)

2009-11-11 07:29:21 | 本・映画・展覧会
 政権が変わったことにより前から問題視されていた「空港整備特別会計」の見直しが行われることになり、実効的なものであって欲しいと願わずにいられない。

 おまけにJALは瀕死の状態だし、会社はなくなろうが構わないがマイルは消えないで使い切らせて欲しい(汗)。その経営不振の原因の1つに各地に「バラまき」された空港への就航…要は不採算路線と言うことですな…も挙げられたりして(その真偽はさておき)、実にタイムリーな一冊なのであります。図書館で予約して借りられるのに随分かかったなぁ。

 タイトルから分かるように、本書では空港整備に係るデタラメの事例(静岡空港とか)、例外的にうまく運営されている能登空港の例など挙げ、空港整備に我々の納めた血税がいかに有効に使われていないかを解説する。興味あるテーマだし書きぶりも平易なので一気に読める(数字は一回ではアタマに入ってこないが、まぁいい)。

 難点を言えば、本書で書かれている空港=定期航空路に供される空港のようであり、例えば自衛隊や米軍との共用空港の意義、自治業務や防災拠点としての空港、それ以外ジェネアビに供される空港といった観点は含まれていない。またヘリポートも対象外。せめて三沢や小松、米子といった「地方空港ではあるけれど基地との併用により廃港が難しい空港」については議論を分けるべきではなかったか。

 二つ目の難点は、先日の某教授と同じく「具体策の提示」が少ないこと。能登空港の例は具体的対策の紹介だが、著者のオリジナルではない。必ずしもオリジナルを提案する必要はないが、問題点を指摘するのであれば対策もセットで紹介してはと思うのだ。必ずしも本邦内の事例である必要はない。或いは「対策はない、廃港が必要だ」という結論でも良い。

 ついでに、これは本書の批評ではないが、空港や路線を云々する時によく使われる「搭乗率」について、これは「騙されやすい」数字。だってキャパシティを小さくすれば搭乗率は上がるでしょ?東京⇔大阪便を777でなく737で運航してごらん、たぶん全便100%になるから(笑)。だから例えば「搭乗率が高いのにJAL撤退はケシカラン」と言う大都会神戸の人々よ、そういう主張は73Hでなく777で70%以上のお客を集めてから言いなさい、だと思うのである。数字には気をつけよう。貨物についても書かないとね。ではどういう数字で表せば良いのか?固定費や全社共通費があるから難しいかもしれないが、空港単位の人件費や運航経費、着陸料などを出すしかないでしょうナ。そう、「路線」でなく「空港」単位で収益を検討するのだ。もちろん内部ではやってると思うけど。

 著者ブログ:http://mori13.blog117.fc2.com/

 2009年11月5日 通勤電車車中にて読了
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