【映画】劇場版 響け！ユーフォニアム

　TVアニメ「響け！ユーフォニアム」の劇場版。中学の吹奏楽部でのトラウマから知り合いの少ないはずの高校に進学した主人公が高校でも結局は吹奏楽部に入り、そこでトラウマの原因でもあった元部員と再会してしまう。ダメ吹奏楽部は新しい顧問を迎え、ハードな練習で部員の意識も変わり次第に上達してゆく…。

　劇場版と言っても新作でなくTVシリーズの総集編。なぁんだ、と一瞬がっかりしたが、実は音声は全て吹き込み直しらしく、確かにけっこう感じが変わっていた。画に関しても単純な切り貼りではなく、演奏シーンは結構な追加があってアレッと思ったり。なので各パートの見慣れないキャラがいっぱい出てきます。TVシリーズ当初から、部員全員ちゃんとフルネームで設定してあった入念さが生きたね。

　本作はTVシリーズを見ていない人でも充分に楽しめる。そして、映画館ならではの音響で場面ごとのこまかな背景音や何より演奏シーンの音が素晴らしい。吹奏楽をやってた人は「あるある」「ありえねー！」と反応できるだろうし(他の部員からの楽譜への書き込みとかパート練習の様子とか芸が細かい)、自分みたく縁のなかった人間も人間の成長ぶりや葛藤や、さまざまな人間関係などを感じたり考えたり思い出したりしながら観られる。楽しめるというより身につまされたりするかもしれない。それだけ訴える力がある作品だということです。やっぱり京アニ(京都アニメーション)は作品の密度がすごい。

　秋にTVシリーズ二期も放映予定と正式発表され、引き続き楽しみです。その前に６月、作中に登場する宇治市(京都)の「あがた祭り」に行こうかな。