インドの有名な女流カメラマン、いや今やカメラマンと言う枠を超えて活動するアーティストと呼ぶ方が正しいようだが、ともかくも彼女の日本で始めての大々的な個展なのだそうだ。
インドの紹介的な、人々の様子や風景を切り取ったものではなく、むしろ普通は隠されてしまう例えば「ユーナック」と呼ばれる「女装芸人集団」に密着して撮った写真。暴行を受け手足の腫れ上がった自分を写したセルフポートレイトなど、大半がモノクロな作品は社会問題告発的に映る。インド政府に睨まれそうな人だ。
展示方法がユニークで、通常の壁掛けパネルのほか3つ折りの本棚のような陳列台(兼収納庫)にも多数の作品を展示。この台さえあれば屋外展覧会だって開催可能だ。多くの人の目に触れるよう、どこでも展示会が開けるように工夫した結果だろう。その意欲からも、彼女の並ならぬ熱意が伺えまいか。
心地良い写真は多くないため、本展を観てインドへ旅したくなる人は多くないかもしれない。だが多くの人にインド社会について考える機会を提供してくれる作品展だと思った。
2017年7月9日 恵比寿・東京都写真美術館にて
インドの紹介的な、人々の様子や風景を切り取ったものではなく、むしろ普通は隠されてしまう例えば「ユーナック」と呼ばれる「女装芸人集団」に密着して撮った写真。暴行を受け手足の腫れ上がった自分を写したセルフポートレイトなど、大半がモノクロな作品は社会問題告発的に映る。インド政府に睨まれそうな人だ。
展示方法がユニークで、通常の壁掛けパネルのほか3つ折りの本棚のような陳列台(兼収納庫)にも多数の作品を展示。この台さえあれば屋外展覧会だって開催可能だ。多くの人の目に触れるよう、どこでも展示会が開けるように工夫した結果だろう。その意欲からも、彼女の並ならぬ熱意が伺えまいか。
心地良い写真は多くないため、本展を観てインドへ旅したくなる人は多くないかもしれない。だが多くの人にインド社会について考える機会を提供してくれる作品展だと思った。
2017年7月9日 恵比寿・東京都写真美術館にて