アニメ「響け!ユーフォニアム」のイベントが京都市内であり、その参加を軸に久々に奈良を回ってから向かうことにした。京都への途中にある宇治に寄って泊まるプランを組んだ。
前夜は奈良行きバスに乗らず「ドリームなごや5号」で東京を出発。この便だけに設定される「ビジネスシート」が狙い。シートピッチが広くリクライニング角度が深いため、割と良く眠れた。名古屋から奈良行きバスに乗り継ぎ、渋滞で15分ほど遅れた10時半に到着。台風21号が接近しており生憎の雨。今回は定番中の定番を再訪してみようと思った。
(1)
唐招提寺
奈良駅前から路線バスで門前へ。金堂は意外と小さく感じるが、人が殆どおらず実に良い雰囲気。そして鴟尾(しび)、そうそうあの形!礼堂も内部公開をしており入る(別途有料)。閑かな空間で、居眠りをしたくなる心地良さ。新宝蔵(これまた別途有料)に安置された仏さまがとても良い。見終わった頃にはずいぶん人が増え、入った時の落ち着きは少し失われていた。写真は鑑真大和上墓所への参道脇、雨に濡れた苔が柔らかく光っていた。2時間くらい居たかな、充実した再訪だった。
(2)
薬師寺
両寺の間は数百mなので歩いて移動。肝心の東塔が大修理で覆われておりガッカリ。広い境内の建物は鮮やかに塗られ、寺とは本来こういう色彩だったと「枯れた風情」を尊びがちな自分の目を覚ましてくれる。風雨ともに強まり、さらりと一回りして退出。修学旅行の生徒に坊さんがユーモアたっぷりな話をしてウケていた。心を掴んだ者の勝ち。自分の修学旅行のとき説明して下さったのは、今にして思えば故高田好胤管主だったのではないかと思う。老いて知る師のありがたみ。
(3)
大吉山(仏徳山)
西ノ京駅前からバスでJR奈良駅に戻り、奈良線で宇治に移動。宿に荷物を置き、暗くなったところでアニメに登場し一気に有名地となった大吉山(仏徳山)に登り夜景鑑賞。真っ暗な場所なのでヘッドランプを持参した。20分ほどかかって展望台まで雨や雲で視界が煙って何も見えなかったらと思ったが存外よく見えて安堵。驚くべきはこの天気のなか他にも10名以上、同じ事を考えて登ってる人たちが居たこと。みんな10~20代のようだったが。ところでアニメでこのシーンに使われる曲は奥華子の「愛を見つけた場所」の吹奏楽器編曲版なのだけど、原曲を聴いてみると全く違って「しみじみしない」のだ。奥さんファンの方がいたらゴメン。
(4)
平等院
翌朝、雨脚が強まっている中を平等院へ。9時半が初回の鳳凰堂内部見学(各回定員50名)に参加できた。これまたご本尊だけでなく壁や天井も(古い上に暗くて)良くは見えないが素晴らしい。僅かな時間の見学だが参加の価値はある(無料)。退出して正面の池から鳳凰堂を撮影した直後、風雨のため中央の大扉は閉ざされてしまった。何とか観られてラッキーだった近年造られた鳳翔館では創建当時の極彩色な内部の模様をCGで再現、壁から外した仏像も間近に見られ時間を忘れる。次々と団体客が現れ賑やかになった。やはり著名な寺社訪問は10時くらいまでが勝負だな。
(5)
懸(あがた)神社
町中にある、小さいが由緒ある社。毎年6月5日に盛大に行われる「あがた祭り」由縁の神社。縁日でもないため他に人はおらず、雨のなか静かな空間だった。
しっかり観るとまだまだ見どころはあるが、午後に京都で用事があるためタイムアップ。京阪電車で宇治を後にした。台風のためこの週末に宇治や京都で行われるさまざまな祭りやイベントはことごとく中止。電車もこころなしか空いていた。