日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
お気軽にコメント下さい。

【本】杉森久英著 「アラビア太郎」(講談社+α文庫)

2019-02-01 20:13:02 | 本・映画・展覧会
 確かに昔はアラビアって言葉を聞いた覚えがあるが、近年ではサウジ(アラビア)もしくはアラブ(諸国)って言うよね…タイトルからしてレトロ感。物語は昭和と思ったら明治から始まっていた。あっれー違う人かな?確かに子供のころ両親が「アラビア太郎」の話題を口にしていたことがあったんだけど…間違ってはいなかったが、主人公のもう晩年でした。

 「アラビア太郎」さらに以前は「満州太郎」とも呼ばれた男・山下太郎の生涯を描いた本である。破天荒と言える生き方、エピソードと共に記された思い切った決断の考え方や根拠、一流好みの理由などは、全てに共感できるわけではないが成程、一理あるかと頷いてしまうことが多かった。

 この時代の実業家は皆そうなのかもしれないが、山下太郎も綺麗ごと、公正な商取引ばかりで成り上がっていった訳ではなく、むしろ怪しい(やましい)ところだらけに見える。それでも勝てば官軍か。

 アラビア(石油)と言えば世間一般には「海賊と呼ばれた男」出光佐三が有名になった気がするが、それに先立ち本書に記されたような大活躍をした人間がいることを知るのも悪くはない。石油ひと筋だった出光氏と山下氏は好対照で面白くもある。

 2019年1月12日 通勤電車にて読了
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【本】田原 牧著 「中東民衆革命の真実ーエジプト現地レポート」(集英社新書)

2019-02-01 06:59:08 | 本・映画・展覧会
 年越し旅行中に色々と考えた結果、次の年越し旅行は中東に決めかけている。実際には航空券の価格次第ではあるのだけど。と言う訳で中東関連本を続けて読むことにした。気が早いって?確かに。

 「アラブの春」と呼ばれた中東各国の独裁政権打倒、その引き金は国により様々だったが、共通したのは「一部の特権階級だけが富み一般市民は貧しいまま」という「米騒動」に近い要因だったのではないかと筆者は見立てる。政治体制とか宗教対立とか、そんな立派なお題目ではなくもっと生活に根ざした、それゆえ心の底からの叫びであったと。

 現地レポートと書かれているが筆者はかつてエジプトに留学しており或る程度は現地に詳しく取材ルートもある。そういう人間が渦中に乗り込んで行って取材した結果なのだから信憑性は高いと思いたいが、どうだろうか。

 2019年1月10日 自宅にて読了
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする