日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】森正人著 「四国遍路」(中公新書)

2020-04-01 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 四国遍路に関する本は山ほどあるが、成り立ちや宗教的な意義、お接待の風俗など学術的見地から著されたものと、遍路記やガイドなど、趣味的見地から書かれたものとに大別されるように思う。本書は前者に属し、古今あまたの(特に古めの)書物より四国遍路の成り立ちと「お遍路さん」の人物像を追っている。

 さまざまな書の研究より、四国遍路が形になったのは早くて13世紀ごろ、遅ければ江戸初期くらいと言うから300年以上の幅がある。ルートも、寺の数も、そして巡礼の方法も諸説紛々。正直どうでも良いと思う。大事なのは「同行二人」で回る意思じゃないのかな。最近はそれとて、特定の宗教に偏らない単なるウォーキングラリー的な遍路だっていることだし。

 ところで、本書に長い引用があった。小林正盛が昭和七年に著した「四国巡礼」で書いた「掟」が紹介されており、現代にも通用すると思うので記録しておく。
(1)旅は道連れ世は情けと知る事
(2)朝夕三宝崇敬を怠らない事
(3)飲み過ぎ食べ過ぎをせず衛生に気をつける事
(4)騒々しくしない事
(5)滑稽なことに同調しない事
(6)仏法を強要しない事
(7)十方法界の供養に応じる事
(8)名勝旧跡を見逃さないようにする事
(9)路銀の無駄遣いをしない事
(10)できるだけ均等な距離を移動する事

 新型コロナウイルスで海外旅行が事実上不可能と言っても良い昨今、ちょっとお遍路してみようかと思うのである。

 2020年3月19日 通勤電車にて読了
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【絵画展】浮世絵にみる“時”の移り変わり(後期)

2020-04-01 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 公式Webサイトには「葛飾北斎、歌川広重から小林清親、三代歌川広重まで、主に幕末から明治期の作品を中心に、江戸から文明開化の東京へと移り変わる風景の変遷を振り返ります。」とある。川崎駅前のビルの中にある有料施設。規模は大きくないが割と充実している(らしい)。

 北斎、(初代)広重は知っていても、小林清親や三代広重には馴染みがない。浮世絵と一括りに言っても100年ほども時代が変ればタッチも題材も変る。江戸末期から明治初期にかけて、東京を中心とした展示作品には馴染みある地名が並ぶ。展示方法で良いなと思ったのは異なる時代の異なる画家の作品を「日本橋」「両国」と言った場所の括りで並べてあったこと、同じ橋でも構図が変るし描かれている乗り物も家並みや設備も違う。

 絵を観たのだか歴史の勉強をしたのだか判らないが、興味深いひとときを過ごした。

 2020年3月17日 川崎浮世絵ギャラリーにて
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