日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
お気軽にコメント下さい。

【本】スティーヴ・ファイナル著/伏見威蕃訳 「戦場の掟」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

2020-04-15 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 米軍において、民間会社に軍隊もどきの仕事をアウトソースしている話は聞いた事があったが、本書はその一部ではあるが詳細なレポートである。場所はイラク。

 「民間人」が兵隊同様に銃を持ち、時には民間人を射殺しているという内容に驚きはなかった。ショックを受けたのは、彼らがイラクに近いクウェートから「通勤」しているという話。クウェートシティのショピングモールだって?昨年末に行ったばかりじゃないか。ああいう場所に、非番の日の傭兵が出入りしているのだ。今はどうか判らないが。

 米国務省は見せかけの兵力削減ができる。正規兵ではないためコストも下げられる。傭兵は自分の命と引き換えに、手っ取り早くカネを稼げる。警備会社と言う名の傭兵会社はピン刎ねで大儲けだ。三方良し、良くないのはイラクの人々。理不尽な理由、時には理由も無く撃たれ、死傷したり逃げまどわなければならない。そりゃ恨みは積もる一方だろう。

 傭兵の一部には戦場でないと生きてる実感を得られないなんて人間もいる。危険だと判っていてこういう土地に向かうのは、冒険者に通じる。自業自得と言うか、なんか哀しい。そしてこの種の男たちの心持ちについて、既視感があると思ったら40年ほども前の漫画(エリア88)だった。

 2020年4月7日 自宅にて読了
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする