宮崎駿監督の作品が映画館上映されたと思ったら今度はなんと、押井守監督の「パトレイバー」である。それもメカアクションに相応しい音響効果の4DX!(解説映像は
こちら)。4DXゆえに劇場数が限られているため、埼玉プチツーの帰り道、ルートを反れ豊洲へ回った。チケットを買ってコーヒーショップで小一時間待機して劇場へ。
おお、さすが4DX、アップテンポなオープニングからズンズン来て良いぞ。戦闘シーンではレイバーのコクピットに乗っているようにガクンガクンと振り回され、嵐のシーンでは風や雨まで吹き付ける。「ガールズ&パンツァー」同様、メカ&戦闘ものでの演出効果は最高だ。
でもなあ…原作と画が違いすぎるんだよ。原作のゆうきまさみの絵とも、キャラクターデザインの高田明美の絵とも違っちゃっている。セル画の限界なのかもしれないが、画が全体にベタッとしちゃって、原作のシャープさがない。カラーな故の悲劇か。原作が大好きだっただけに違和感を拭えない。個人的には声優も原作のイメージに合ってない人が多くて。
個人的には若い2人(泉巡査と篠原巡査)より課長2人(後藤課長と南雲課長)のやり取りが好き。オトナって感じがする。あと、東京を歩き回る松井刑事。彼らが回る先のシーンは秀逸、残念なのはキャラデザで、風景画は素晴らしい。
30年前に描かれた作品だけど、レイバーのシステムが今で言うマルウエアに汚染され暴走を始める設定は見事に現代を予見。開発や進歩の意味を自嘲めいて問うシーンは、社会の、大人への問い掛け。今こそ観る価値があるのかもしれない。
2020年7月26日 ユナイテッドシネマ豊洲にて