西部劇とロードムービーの中間に位置する作品、と評せば良いのか。もちろんカウボーイはいるものの、人々の移動の手段は完全に車となっている1950年代末期。いくらテキサスと言えども時代錯誤の感ありありの主人公は、どこか社会に馴染めない16歳の少年とその友人。
二人は家を出、愛馬に跨ってこれまでの生活を、祖国を捨ててメキシコに向かう(彼等の住む町は、テキサスでもメキシコまで数百キロと言う比較的近い場所に設定されている)。モノもカネもロクに持たないが故、かなりの苦労をしながらそれでも彼らは国境を越え、メキシコの牧場で働き始めるが、その生活は長くは続かなかった…
冒険譚と言えばそうだが、根底にあるのは生家への、アメリカ社会への絶望感か諦念感。なので、ハラハラするがワクワクしない。ええ加減にせぇよとすら思うのは、こちらが老いているからか。普通なら自由やチャンスを求めメキシコからアメリカへ違法越境するのだろうが、それとは逆方向なのがユニーク。
悲劇的な結末、と言うほどではないが、これから先の少年の人生が大きく、彼の望むままに展開する希望を持つには程遠い終わり方が、やるせない閉塞感を覚えさせる。
2021年8月3日 自宅にて読了
二人は家を出、愛馬に跨ってこれまでの生活を、祖国を捨ててメキシコに向かう(彼等の住む町は、テキサスでもメキシコまで数百キロと言う比較的近い場所に設定されている)。モノもカネもロクに持たないが故、かなりの苦労をしながらそれでも彼らは国境を越え、メキシコの牧場で働き始めるが、その生活は長くは続かなかった…
冒険譚と言えばそうだが、根底にあるのは生家への、アメリカ社会への絶望感か諦念感。なので、ハラハラするがワクワクしない。ええ加減にせぇよとすら思うのは、こちらが老いているからか。普通なら自由やチャンスを求めメキシコからアメリカへ違法越境するのだろうが、それとは逆方向なのがユニーク。
悲劇的な結末、と言うほどではないが、これから先の少年の人生が大きく、彼の望むままに展開する希望を持つには程遠い終わり方が、やるせない閉塞感を覚えさせる。
2021年8月3日 自宅にて読了