本作は著者のデビュー作。解説によれば日本で大藪春彦の正統的後継と呼べるハードボイルド小説とのことであるが。何で手にしたかと言えばハードボイルドに興味があったのではなく、高野秀行、西木正明と言った早大探検部OB作家の一人だから。
解説がある本は先にそちらを読んでから本文を読むため先入観ができてしまうのだが、ハードボイルド小説って何だか安っぽいと言うか練れてないと言うか浅薄と言うか、そういう印象を持ってしまった。終戦直後の複雑な情勢下で生まれた主人公ならではのボヘミアン的人生は判るとして、名前のついた登場人物が片端からドンパチで死んでゆく。ハードボイルド小説って戦闘殺人シーンばかり並べれば良いってものじゃないだろう。主人公だけは死ぬのがお約束なのかもしれないが。
せりふ回しが引っ掛かる。どいつもこいつも汚い言葉遣い、かえって芝居感が強まってしまう。そして、優秀な殺し屋は依頼者の内情や仕事の背景をターゲットにベラベラ喋ったりしないものだ。読者向けには別の形で説明すればよい。
登場時は刺激的に新鮮味ある作品だったのかもしれないが、いま読むと陳腐に映った。
2022年2月2日 自宅にて読了
解説がある本は先にそちらを読んでから本文を読むため先入観ができてしまうのだが、ハードボイルド小説って何だか安っぽいと言うか練れてないと言うか浅薄と言うか、そういう印象を持ってしまった。終戦直後の複雑な情勢下で生まれた主人公ならではのボヘミアン的人生は判るとして、名前のついた登場人物が片端からドンパチで死んでゆく。ハードボイルド小説って戦闘殺人シーンばかり並べれば良いってものじゃないだろう。主人公だけは死ぬのがお約束なのかもしれないが。
せりふ回しが引っ掛かる。どいつもこいつも汚い言葉遣い、かえって芝居感が強まってしまう。そして、優秀な殺し屋は依頼者の内情や仕事の背景をターゲットにベラベラ喋ったりしないものだ。読者向けには別の形で説明すればよい。
登場時は刺激的に新鮮味ある作品だったのかもしれないが、いま読むと陳腐に映った。
2022年2月2日 自宅にて読了