460ページ近い、分厚い文庫本に怯んだ。が、読み始めてリズムに乗るとどんどんページを繰ることができた。時おり目に飛び込んでくるカラー写真。そう、著者は自分にとって作家でなく写真家としてその名を知っていた存在だった。
1970年代から10年以上に渡る海外放浪の中で訪れたチベットの、通り過ぎたのではなく小さな村に滞在していた時の記録。先の「アヘン王国」と似た感じだが、本書は人々の姿を描いてはいるが自身の思念夢想が入った極めて誌的な文章が多く、学術的と言うよりは芸術的に位置する。書き方に独特のリズムがあり、一度踏み外すと暫く時を置き、息を整えて再開しなければならなかった。
途中の何ページも使った、その村の住人ひとりひとりの顔写真が著者の奮闘の記録と言えよう。中国からチベットに入り、パキスタンへ抜けるルートは一昨年行くはずだったのが2年続けて延期になってしまった。いずれ行ける日が戻って来て欲しい。
2022年2月9日 自宅にて読了
1970年代から10年以上に渡る海外放浪の中で訪れたチベットの、通り過ぎたのではなく小さな村に滞在していた時の記録。先の「アヘン王国」と似た感じだが、本書は人々の姿を描いてはいるが自身の思念夢想が入った極めて誌的な文章が多く、学術的と言うよりは芸術的に位置する。書き方に独特のリズムがあり、一度踏み外すと暫く時を置き、息を整えて再開しなければならなかった。
途中の何ページも使った、その村の住人ひとりひとりの顔写真が著者の奮闘の記録と言えよう。中国からチベットに入り、パキスタンへ抜けるルートは一昨年行くはずだったのが2年続けて延期になってしまった。いずれ行ける日が戻って来て欲しい。
2022年2月9日 自宅にて読了