日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】藤原新也著 「西蔵放浪」(朝日文芸文庫)

2022-02-23 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 460ページ近い、分厚い文庫本に怯んだ。が、読み始めてリズムに乗るとどんどんページを繰ることができた。時おり目に飛び込んでくるカラー写真。そう、著者は自分にとって作家でなく写真家としてその名を知っていた存在だった。

 1970年代から10年以上に渡る海外放浪の中で訪れたチベットの、通り過ぎたのではなく小さな村に滞在していた時の記録。先の「アヘン王国」と似た感じだが、本書は人々の姿を描いてはいるが自身の思念夢想が入った極めて誌的な文章が多く、学術的と言うよりは芸術的に位置する。書き方に独特のリズムがあり、一度踏み外すと暫く時を置き、息を整えて再開しなければならなかった。

 途中の何ページも使った、その村の住人ひとりひとりの顔写真が著者の奮闘の記録と言えよう。中国からチベットに入り、パキスタンへ抜けるルートは一昨年行くはずだったのが2年続けて延期になってしまった。いずれ行ける日が戻って来て欲しい。

 2022年2月9日 自宅にて読了
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【映画】鹿の王

2022-02-23 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 ベストセラー?小説の映画化、制作発表から公開まで、新型コロナ渦のおかげで随分と時間が掛かってしまった。

 むかし対立していた2つの種族は、今や1つに統一され表面上は平穏を保っていた。が、それを覆す、山犬を介した伝染病を蔓延させる陰謀が。不思議とその陰謀の被害者は一方の種族のみ。その理由は?種族対立時代の勇猛な兵士の生き残りが、無邪気な女の子を連れて解明の旅に出る。主人公の元戦士を演じるのは声優初挑戦の堤真一ってのが話題になった。あまり口数の多い役でないのは幸い?もちろん上手いと思いますが。

 主人公の年齢からジュブナイルと呼ぶことはできないが、アニメ版ロードムービーとは呼べるか。とは言えヤマ場は主人公たちが目的地に着いてから起こるので、ロードムービーと呼ぶのも正しくないか。とどのつまりは愛なのだ。家族愛であり、種族愛であり、社会愛。最後はちょっと「シェーン」っぽかったね。

 2022年2月9日 川崎・チネチッタにて
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