過去に原作(コミック)を読んでた本作が劇場アニメ化されると聞き、心配した。「採算取れないんじゃない?」って。だって舞台は大学の航空部(グライダー)だよ?誰が観るんだろうってね。
そもそも日本では、飛行機はまだまだ身近な存在とは言えない。LCCの台頭で空の旅が身近になってきたとは言え、まだまだ(そんなことないって思うお方は、ご自身か周囲に大の航空旅行好きか飛行機マニアがいるんでしょう)。さらに、普通の人には縁のないジェネラル・アビエーション、その中でもグライダーなんて「レア中のレア」。ちなみに旅客機には1,500回近く乗り、セスナは300時間近く操縦している自分でも、グライダーはモーター(エンジン付き)グライダーに1回乗ったことがあるのみ。それくらい一般の人には縁のない世界の話を、物語の世界に引き込めるだけの作品に仕上げられたのだろうか。
原作を知っていると、満足した部分と不満な部分と両方。満足したのは、やはりカラーの動画ならではの描写、空や雲の色、俯瞰した地上の風景。旅客機からでは遠すぎる地上も、グライダーならせいぜい高度数百m、その違いが良く判る。一方不満なのはストーリー展開、やはり時間の制約があって「語り尽くせない」部分が多く、話の展開の背景が省略されていたり、ラストへのまとめが性急すぎたり。でも、これくらいで纏めないと空への興味や知識のない人は退屈してしまうのかもしれない。
原作者は大学の航空部出身で、上級滑空機のライセンスを持つモノホンのパイロット。その知識を活かした正確な描写はアニメでも再現され、グライダー資格を持つパイロット仲間に本作を教えたら観に行って激賞していた。空を知っている人には懐かしさを、知らない人には憧れを与えてくれる作品に仕上がったようだ。
2022年3月8日 TOHOシネマズ川崎にて
そもそも日本では、飛行機はまだまだ身近な存在とは言えない。LCCの台頭で空の旅が身近になってきたとは言え、まだまだ(そんなことないって思うお方は、ご自身か周囲に大の航空旅行好きか飛行機マニアがいるんでしょう)。さらに、普通の人には縁のないジェネラル・アビエーション、その中でもグライダーなんて「レア中のレア」。ちなみに旅客機には1,500回近く乗り、セスナは300時間近く操縦している自分でも、グライダーはモーター(エンジン付き)グライダーに1回乗ったことがあるのみ。それくらい一般の人には縁のない世界の話を、物語の世界に引き込めるだけの作品に仕上げられたのだろうか。
原作を知っていると、満足した部分と不満な部分と両方。満足したのは、やはりカラーの動画ならではの描写、空や雲の色、俯瞰した地上の風景。旅客機からでは遠すぎる地上も、グライダーならせいぜい高度数百m、その違いが良く判る。一方不満なのはストーリー展開、やはり時間の制約があって「語り尽くせない」部分が多く、話の展開の背景が省略されていたり、ラストへのまとめが性急すぎたり。でも、これくらいで纏めないと空への興味や知識のない人は退屈してしまうのかもしれない。
原作者は大学の航空部出身で、上級滑空機のライセンスを持つモノホンのパイロット。その知識を活かした正確な描写はアニメでも再現され、グライダー資格を持つパイロット仲間に本作を教えたら観に行って激賞していた。空を知っている人には懐かしさを、知らない人には憧れを与えてくれる作品に仕上がったようだ。
2022年3月8日 TOHOシネマズ川崎にて