サブタイトルは「世紀末人間の危険な欲望」。
自分で本書のコメントに書いている通り、家田荘子ってちょっとタブーっぽいテーマを突っ込んで書くのが好き、というイメージがある。だってそうじゃん、ねぇ?ご本人にとっては「タブーだから書く」という気はさらさら無く、自然と自分の関心が向いたからということらしいのだが。
本書が書かれたのは10年以上も前で、今とはAIDSに関する認識も知識(理解)も大幅に異なっていた。そこは読む前に頭に入れておかなければならない。そうした上で当時この本がセンセーショナルに扱われた事実を思い出してみる。。。確かに話題作には成り得るテーマだ、だけど本当に内容に価値があっただろうか?
少なくともいま読んでみた限りでは、AIDS蔓延に警鐘を鳴らすという意味では説得力に乏しく(具体的統計の引用等が少ない)、「ビーチボーイ」や「ぶら下がり」も行動の実態を紹介するだけでその結果の患者を描いているわけではない。
もしAIDS蔓延を憂いて警告したい意図があるのであれば、好き勝手に遊んだ結果発症し、友人や親兄弟すらも遠ざかり淋しく朽ちてゆく患者を冷徹にレポートすべきだろうし、薬害AIDSを訴えたければそういう調査報告ができよう。単にAIDSという言葉で人々の好奇心を煽り著作を広めようとする意思があったとは思えないが、例え状況が今と異なっていたにせよ、もう少し掘り下げて書くことはできなかったものかなと思えて仕方がない。
2008年9月14日 シンガポールのホテルにて読了
自分で本書のコメントに書いている通り、家田荘子ってちょっとタブーっぽいテーマを突っ込んで書くのが好き、というイメージがある。だってそうじゃん、ねぇ?ご本人にとっては「タブーだから書く」という気はさらさら無く、自然と自分の関心が向いたからということらしいのだが。
本書が書かれたのは10年以上も前で、今とはAIDSに関する認識も知識(理解)も大幅に異なっていた。そこは読む前に頭に入れておかなければならない。そうした上で当時この本がセンセーショナルに扱われた事実を思い出してみる。。。確かに話題作には成り得るテーマだ、だけど本当に内容に価値があっただろうか?
少なくともいま読んでみた限りでは、AIDS蔓延に警鐘を鳴らすという意味では説得力に乏しく(具体的統計の引用等が少ない)、「ビーチボーイ」や「ぶら下がり」も行動の実態を紹介するだけでその結果の患者を描いているわけではない。
もしAIDS蔓延を憂いて警告したい意図があるのであれば、好き勝手に遊んだ結果発症し、友人や親兄弟すらも遠ざかり淋しく朽ちてゆく患者を冷徹にレポートすべきだろうし、薬害AIDSを訴えたければそういう調査報告ができよう。単にAIDSという言葉で人々の好奇心を煽り著作を広めようとする意思があったとは思えないが、例え状況が今と異なっていたにせよ、もう少し掘り下げて書くことはできなかったものかなと思えて仕方がない。
2008年9月14日 シンガポールのホテルにて読了