「美貌の人」中野京子
中野京子さんの絵画エッセイ。
絵画で扱われた美貌の女性、男性が取り上げられている。
下の絵はマグダラのマリア。
クリヴェッリ作品。
下の絵は「スザンナと長老たち」
「スザンナ」という名はヘブライ語の「百合」からきている。スザンヌ、シュザンヌ、スーザン……どれも語源は同じだ。そして百合といえば、真っ先に思い出されるのが「受胎告知」の場。大天使ガブリエルが処女マリアに捧げていたのがこの花だった。当然ながらシンボル的にも、「純潔」「無垢」「貞節」となる。この絵のヒロインがどういう人間であるかを、名によって知らしめているのだ。
【ネット上の紹介】
絵画のなかの美しいひとたちは、なぜ描かれることになったのか。その後、消失することなく愛でられた作品の数々。本書では、40の作品を中心に美貌の奥に潜む光と影を探る。
第1章 古典のなかの美しいひと(プロセルピナ―ロセッティ
アポロンとマルシュアス―ペルジーノ ほか)
第2章 憧れの貴人たち(侯爵夫人ブリジーダ・スピノラ=ドーリア―ルーベンス
デヴォンシャー公爵夫人―トマス・ゲインズバラ ほか)
第3章 才能と容姿に恵まれた芸術家(シャネル―マリー・ローランサン
凸面鏡の自画像―パルミジャニーノ ほか)
第4章 創作意欲をかきたてたミューズ(商人の妻のティータイム―クストーディエフ
ブージヴァルのダンス―ルノワール ほか)