「殷周伝説 太公望伝奇」(12巻)横山光輝
殷から周への興亡。
他の横山光輝作品と違って、妖術や霊力が描かれ、
道士や魔物が登場すること。
故事ことわざでは、酒池肉林、出処進退、覆水盆に返らず、など。
その縁起が物語のなかに挿入される。
①P380
『殷周伝説』はオープニング・シーンなど『封神演義』の設定やストーリーを採用した部分もあるが、『史記』や、『封神演義』に先立って元の至治年間(1321~1323)に出版された『全相武王討伐平話』を、より多く参考にしている。
この作品は、当時はごく一部にしか知られていなかった。それを大学教授に翻訳していただいて横山先生にお届けした。ここには妖怪や道士は登場するが、『封神演義』の基本設定ともいうべき「封神」という発想はない。
「封神」とは、安能訳『封神演義』によれば、商(殷)王朝の命数が尽きて周王朝がとって代わるが、その課程で戦没して諸将・大臣・仙人・道士たちを、神に封じることだという。
「この女人間ではない」
【ネット上の紹介】
絶世の美女・妲己――その身に悪霊を宿した魔性の女は、後宮に入るや紂王を快楽に溺れさせ、意のままに操り始めた。紂王が美しい女神像に邪心を抱き、邪悪な霊から国を守っていた天女が、激怒して天界へ去ったからだった。紂王は政務を放棄し忠臣を処刑し、600年栄えた殷帝国は滅びようとしていた。
【ネット上の紹介】
〓(べん)池城の戦いで、勇将・黄飛虎とその四天王、土行孫と〓(とう)嬋玉夫妻までもが討死した。呂尚は新兵器「弩」と震駭車を開発して張奎率いる騎馬軍団を破り、ついに孟津に到着する。会盟が開かれ、武王は諸侯の願いによって盟主となった。黄河を渡り、袁洪将軍率いる殷軍20万を破った会盟軍は、朝歌を目指して進撃。紂王は自ら100万の軍勢を整え、牧野に一大陣地を張って待ち受けた。巨匠の絶筆となった中国最古の戦いを描く堂々の完結編。