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「こげぱん京都ぶらり旅日記 」たかはしみき

2018年09月26日 21時46分17秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「こげぱん京都ぶらり旅日記 」たかはしみき

ツボを押さえた京都旅日記。


安井金比羅宮 絵馬の内容がみんなディープでこわくなりました。
予想外に人間のドロドロした部分をまのあたりにし、複雑な気分になるお寺でした。
(私も行って、絵馬をざっと見てきたが、非情にリアル、名指しで書かれている…怖い)
(形代を持って巨石をくぐるのだが、長い長い順番待ち…)
「本当は怖い京都の話」倉松知さと
安井金比羅宮

重箱の隅をほじくるようで申し訳ないが、三十三間堂の通し矢の絵は間違っている。
下の絵を見てみて。

これが正しい射かたの絵

「三十三間堂外伝 平田弘史士道劇画傑作選」より



「風にもまけず粗茶一服」の文章を紹介する。
三十三間堂は、平清盛が後白河法皇のために建てた。内陣に並ぶ柱と柱の間が三十三あることからそう呼ばれている。柱の間隔は二間ほどだから、つまりずいぶんと細長いお堂であり、なぜかくも長いのかと言えば、そこに千体もの観音像を並べるからだ。
(中略)
ところで、千体千手観音に比べれば知名度はかなり下がるかもしれないが、三十三間堂と聞いて次に人々の脳裏に浮かぶのは、おそらく<通し矢>伝説だろう。
二間おきに柱が立っているということは、本堂の全長は約百二十メートルということになる。この軒下で、江戸時代、弓の名手達が端から端まで一昼夜に何本射通せるか矢数を競った。
今、一般的に弓道の試合は二十八メートル先に的を置いて競うから、百二十メートルといえばその約四倍にあたる。それほど遠くへ矢を飛ばすには、弓を上に向けて矢の滞空時間を延ばすにしくはない。ところが、軒下ではこれができない。水平に遠くまで飛ばすには強弓を使うよりない。弱い弓でまっすぐ射ても矢はすぐに落ちてしまうからだ。百二十メートルに及ぶ軒の下で矢数を競うということは、言うまでもなく破天荒な腕力勝負であった。次々に剛の者が登場し、百単位の勝負から、またたく間にエスカレートして千本単になった。三十三間堂で今も見ることのできる額には、星野勘左衞門という紀州藩士が八千本を射通したことが記されており、さらにその後すぐに紀州の和佐大八郎が八千百三十三本を記録した。
八千本というのは通すのに成功した数であって、彼らが放った矢はもっと多い。星野にしても和佐にしても一万本以上の矢を射ており、通らなかった矢の多くは軒や庇に突き刺さった。三十三間堂の軒は、だから今も疵だらけなのだ。爾来この場所は弓道家にとって特別な空間となっている。


↑ これは私が現地に行って撮った写真。
この距離を1本だけでも射るのは至難でしょう。
一昼夜に八千本射るって事は、とんでもない速射である。

【ネット上の紹介】
京都(洛中・洛南・洛東・洛北・洛西)の観光・グルメ・制作体験・パン屋さんなどを、たかはしみきが、ゆる~くご紹介するおもしろ旅日記が充実内容で盛りだくさん。今回の4コマ漫画の舞台は京都!こげぱんたちの可愛い舞妓姿や平安貴族姿、坊主姿などのコスプレも楽しめるよ。
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