近くの書店で「ガス燈」が廉価で売られていた。
イングリット・バーグマンとシャルル・ボワイエ共演の名作だ。
(1944年モノクロ114分)
内容は、2人がイタリアで出会って結婚し、ロンドンで生活を始めるところから始まる。新しい家は、かつて彼女が幼い頃に住んでいた大きな家。
住みだしたとたん、屋根裏で音がしたり、部屋のガス燈が暗くなったり、ものが無くなったり、不思議な出来事が続く。
頼るべき夫は、なぜか心理的に妻を追い詰めていく。
イングリット・バーグマンの演技が素晴らしい、これによりアカデミー主演女優賞を受賞した。
さて、この映画により、gaslighting(ガスライティング)という言葉が生まれた。
心理的虐待、自分の嘘を指摘する相手を、逆に責め精神的に追い込む。
近年は、トランプ大統領の嘘を攻めたCNNニュースを、「フェイクだ」と言い続け、再びこの言葉が脚光を浴びた。「これだけフェイクと言い続けるからには、トランプは正しいに違いない」、と思い込ませ、一部の人には有効に働いている。
恐ろしいことだ。
【gaslighting使用例】by「アメリカ炎上通信言霊USA」(町山智浩)P240
たとえば、会社の上司が間違った指示を出した後で、「私はそんなことは言っていない」と言い張り、部下の記憶違いのせいにしたりする。また、「この女、誰?」と妻に浮気を問い詰められた夫が「そんな女知らない。君の妄想だ。どうかしてるよ」と、妻の精神状態のせいにしたりする。
たとえば、会社の上司が間違った指示を出した後で、「私はそんなことは言っていない」と言い張り、部下の記憶違いのせいにしたりする。また、「この女、誰?」と妻に浮気を問い詰められた夫が「そんな女知らない。君の妄想だ。どうかしてるよ」と、妻の精神状態のせいにしたりする。