「ハーバード日本史教室」佐藤智恵/アンドルー・ゴードン/〔ほか述〕
ハーバードの教授10人へのインタビュー。
日本史から何を学ぶのか?
山本五十六について書かれている。
ハーバードに在籍していたそうだ。
彼はポーカーの名手であり、夜な夜なずいぶん儲けたそうだ。
p23
そのお金を何に使ったかといえば、夏休みにアメリカ国内を視察するのに使ったのだという。山本はマサチューセッツ州からテキサス州までヒッチハイクで旅をして、アメリカの産業、特に石油産業についての情報を収集した。
P26
1972年に内閣総理大臣に就任した田中角栄は、国際交流基金を通じ、ハーバード大学、プリンストン大、コロンビア大など、日本研究プログラムを持つ10の大学に総額1000万ドル(当時のレートで約30億円)を提供。この資金は通称「タナカ・テン」と呼ばれているが、これによってアメリカにおける日本研究が大きく進展することとなったという。
P143
この長寿企業が多いという現象は日本独特のものです。私が知る限り「老舗」という言葉があるのは日本語だけではないでしょうか。(中略)英語では、ただ「長く継続している企業」(long-lasting firm)というだけです。
トルーマンはどのように原爆投下を正当化したのか
P162
授業では、『正しい戦争と不正な戦争』に書かれてある正戦論をベースに、トルーマンの決断が人道的に正しかったのかどうかを議論します。
日本は核武装すべきか?
P216
日本が核武装したからといって日本の安全がより保障されるでしょうか。少なくとも北朝鮮に対する抑止力にはならないと思います。逆に近隣諸国、特に中国を脅かすこととなり、そうなると日本の安全は今より揺らぐこととなるでしょう。
【ネット上の紹介】
世界最高の学び舎、ハーバード大学の教員や学生は日本史から何を学んでいるのか。『源氏物語』『忠臣蔵』から、城山三郎まで取り上げる一方、玉音放送を読み上げて日本の天皇制について考えたり、和食の奥深さを噛み締めたり…。授業には日本人も知らない日本の魅力が溢れていた。ハーバード大の教授10人のインタビューを通して、世界から見た日本の価値を再発見する一冊。
【目次】
序 ハーバード大学と日本人
第1講義 教養としての『源氏物語』と城山三郎―日本通史 アンドルー・ゴードン
第2講義 『忠臣蔵』に共感する学生たち―江戸時代 デビッド・ハウエル
第3講義 龍馬、西郷は「脇役」、木戸、大久保こそ「主役」―明治維新 アルバート・クレイグ
第4講義 ハーバードの教授が涙する被災地の物語―環境史 イアン・ジャレッド・ミラー
第5講義 格差を広げないサムライ資本主義―アジア研究 エズラ・ヴォーゲル
第6講義 渋沢栄一ならトランプにこう忠告する―経営史 ジェフリー・ジョーンズ
第7講義 昭和天皇のモラルリーダーシップ―リーダー論 サンドラ・サッチャー
第8講義 築地市場から見えてくる日本の強みと弱み―和食の歴史 テオドル・ベスター
第9講義 日本は核武装すべきか―日米関係史 ジョセフ・ナイ
第10講義 世界に日本という国があってよかった―経済学 アマルティア・セン