「西遊妖猿伝」(11)~(16)諸星大二郎
16巻目で第2部『河西回廊篇』が終了する。
財産分けをしてちょうだいな
ロバとラクダが喧嘩を始めたぞ!
な…なんて性格の悪いロバだ
この続きは『西域編』へ
【あとがき】
西域を舞台にして沙悟浄や火焔山や牛魔王の登場する物語をいずれはやりたいと思います。
【参考】
潮出版社の希望コミックスは、これにて完結。
この続きはモーニングKCで①から⑥まで出ている。
「花だより みをつくし料理帖 特別巻 」高田郁
シリーズ完結後の特別巻。
4篇収録されている。
花だより
涼風あり
秋燕
月の船を漕ぐ
①「花だより」は、つる家の旦那・種市、坂村堂、戯作者・清右衛門の3人が大坂に向かおうと旅に出る話。
②「涼風あり」は、御膳奉行の小野寺数馬と妻・乙緒との生活が描かれる。
③「秋燕」は、舞台が大坂に移動。大坂での野江の暮らしぶり。
④「月の船を漕ぐ」も大坂が舞台。源斉が病に倒れる。食欲がなくなり、澪もどう対処したものか途方に暮れる。夫婦の絆にも微妙に亀裂が…。
私は②が面白く感じた。
p148
「お前と俺は似ている。実に似ている」
何を考え、どんな感情を抱こうと、周囲にそれと悟られぬよう振る舞う。他人に誤解されたとて一向に意に介さず、言葉を尽くして理解されようと思わない。似た者同士だから乙緒もそうなのだ、と決めてかかっていた。
著者あとがき【みをつくし瓦版】
続編の予定はあるか、との質問に対して
(前略)名残惜しいのは私も同じですが、この特別巻ののちは、皆さまのお心の中を、澪たちの住まいとさせてくださいませ。
(中略)
シリーズは完結しましたが、辛い時、悲しい時、試練の時に、澪たちがあなたの人生の伴走者となれますように。
【ネット上の紹介】
澪が大坂に戻ったのち、文政五年(一八二二年)春から翌年初午にかけての物語。 店主・種市とつる家の面々を廻る、表題作「花だより」。 澪のかつての想いびと、御膳奉行の小野寺数馬と一風変わった妻・乙緒との暮らしを綴った「涼風あり」。 あさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たしてのちの野江を描いた「秋(しゅう)燕(えん)」。 澪と源斉夫婦が危機を乗り越えて絆を深めていく「月の船を漕ぐ」。 シリーズ完結から四年、登場人物たちのその後の奮闘と幸せとを料理がつなぐ特別巻、満を持して登場です!
「ナオミとカナコ」奥田英朗
直美と加奈子は大学時代からの親友。
直美は老舗百貨店の外商部、加奈子は専業主婦。
直美は、加奈子が夫からDVを受けているのを知る。
二人は夫を殺す為の完全犯罪を計画するが…。
奥田英朗さんは巧い。
現在の日本作家の中でもトップクラスの筆力と思う。
これほどはらはらして読んだのは久しぶり。
知らず知らずの内に、二人を応援している。
逃げろ、逃げろ、と。
結末は読んでのお楽しみ。
直美がDVを知るシーン
P28
「お願い。教えてよ。何があったの」
直美が肩を揺すると、それがスイッチだったかのように、加奈子が嗚咽を漏らした。
大粒の涙がスカートに落ちる。
親友のただならぬ事態に激しく動揺した。
上海から来た李朱美さんと直美の会話
P129
打ち明けついでに、仲のいい友人が夫から暴力被害を受けていて、悩んでいることを話した。
このときは朱美が表情を険しくし、「殺しなさい」と言い放った。
「そんな男に生きている価値はないのことですね。殺されても文句は言えません」
【おまけ】
この李朱美の造形が生き生きとしてすばらしい。
ところで、読んでいて「いつか陽のあたる場所で」を思い出した。
これに登場する綾香がDVを受けて、ついにキレてしまい、夫を殺し服役、という過去の持ち主。
「いつか陽のあたる場所で」乃南アサ
「すれ違う背中を」乃南アサ
「いちばん長い夜に」乃南アサ
【ネット上の紹介】
望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美は、あるとき、親友の加奈子が夫・達郎から酷い暴力を受けていることを知った。その顔にドス黒い痣を見た直美は義憤に駆られ、達郎を排除する完全犯罪を夢想し始める。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」。やがて計画は現実味を帯び、入念な準備とリハーサルの後、ついに決行の夜を迎えるが…。

「西遊妖猿伝」(8)諸星大二郎
シリーズ8冊目

なんだ?木の上に住んでる酔狂者がいるぞ

わたしたちは旅芸人でね