大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇
2011年/日本
炊飯ジャーを共有する意図
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
主人公の大木信義と咲は長い同棲生活の末になし崩し的に結婚してしまったために、結婚したまではよかったのであるが、同棲生活の延長という感じが抜けないままで喧嘩が絶えない。ある日、咲がスーパーで買い物をしている時に、スーパーの店員から「とにかく柔らかいよ。味は無いけれどね」と勧められたジゴク産の魚を「じゃぁ(=ジャー)これにします」と答えた辺りから状況が急変して、自分の家の炊飯ジャーを持ち逃げした濡れた男を追うような形で大木信義と咲は地獄へ新婚旅行に行くことになる。
2人だけで楽しく地獄巡りができていれば楽しい新婚旅行になったであろうが、2人だけで楽しむことが出来ず、楽しそうに聞こえる自分たちの背後の様子を確かめずにはいられない。振り向いてしまった結果、大木信義と咲は2人の夫婦としてのあり方を問われることになる。このまま関係の改善を怠り、理解し合えない‘赤い人’と‘青い人’になってしまうのか、あるいは理解しようと努力するのか問われるのであるが、そこで鍵となるのが青い肌の美少女であるヨシコが咲に別れ際に言うセリフなのである。
断言しても構わないと思うが、炊飯ジャーを無くしたことから物語が始まる『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』は成瀬巳喜男が監督した1951年の作品『めし』の翻案である。1951年とは違って2011年の現代では‘めし’は炊飯ジャーでそれぞれの好み通りに簡単に出来てしまい、その利便性が逆に夫婦を疎遠にさせる要因になる可能性があるのだが、ラストシーンで2人で新しい炊飯ジャーを選んでいるところに希望が持てる。
『めし』では決して語られなかった夫婦の倦怠期の原因をあっさりと言及してしまっているところが映像作品として堪え性がないと思うのだが、はっきり言わなければ作品自体全く理解されなくなることを恐れたのかもしれない。同情に値する。
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2011年5月17日の夕方の動画投稿サイト「ニコニコ生放送」の新番組「田原総一朗
談論爆発!」の初回ゲストとして石原慎太郎が出演し、東京都の青少年健全育成条例の
改正案に漫画家や出版社が「表現の萎縮を招く」などとして反発し、石原慎太郎都知事が
実行委員会を務める「東京国際アニメフェア」への出展を取りやめた問題について発言
している。条例案に対する一連の批判について、石原慎太郎は「その連中に聞きたいん
だけどね、僕らが対象にしているね、エロマンガって言うのを読んだことがあるんですか。
自分で読んでみなさいって」と、成人向けマンガの内容を批判した上で「まあ、それは目を
つぶってやろうと。ただ、その本をね、子どもの手の届くところに置くなっていう条例を作った
わけ。なんでこれが言論統制なの」と、条例案への批判は当たらないとの見方を示した。
そこで司会の田原総一朗が石原慎太郎のの過去の作品について「全部レイプなんだよ。
しかも集団暴行。『そんなこと書いてたのが何を言うか』って思ってた」と指摘したことに
対して、都合の悪いことはいつものように答えない石原なのであるが、この田原のいつもの
“煽り”にまんまとはまってしまい、条例案に対する反発が起こった時期のことを振り返って、
「大きな出版社までが何を被害妄想かなんか知らんけどね、アニメフェアやったらね『あんな
とこ行かない。おれたちは幕張でやる』って言ったらね、震災が来てね両方ともパーに
なった。ざまあみろってんだよ」と暴言を吐いてしまった。不幸な目に遭遇した、自分の考えに
反対する人々に向かって「ざまあみろ」と言える政治家や作家を私は信用しない。