ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
2011年/イギリス
ジョニー・イングリッシュの隠されたミッション
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
本編が終了して、タイトルバックと共に映されるラストシーンは、自分の命をキスで助けてくれた行動心理学者のケイト・サマーのためにジョニー・イングリッシュが料理を作るというものである。イングリッシュ自らかけたCDはエドヴァルド・グリーグの『ペール・ギュント』の「山の魔王の宮殿にて」(In the Hall of the Mountain King)なのであるが、イングリッシュの両手はそれぞれ別に同じ料理を作っている。それはイングリッシュが誤ってクスリが入った酒を飲んでしまい、サイモン・アンブローズに操られて中国の首相を口紅型のピストルで射殺しそうになった時に、それを止めさせようとする右腕と左腕の諍いがキャメオ(Cameo)の「Word Up!」が流れた瞬間に、それぞれの立場を忘れてしまい一緒に踊りだしたことと関係していると思う。一見、右腕と左腕の仲直りとして描かれるラストシーンは、料理をもてなす相手が『007 ダイ・アナザー・デイ』(リー・タマホリ監督 2002年)でボンドガールを演じたロザムンド・パイクであることが気になる。何故ならばそれまでイングリッシュはアジア系の老女に命を狙われ続け、間違えて同僚のペガサスの老いた母親にヘッドロックをしながら頭を殴り、クスリを飲まされたとはいえ決して若くはないペガサスも気絶させてしまうからである。そしてその集大成がラストの、今や老女の象徴ともいえる在位60年のエリザベス女王(=Queen)に対する暴力である。
冒頭のシーンでチベットで修行するジョニー・イングリッシュが鍛えていたものは自分自身の男根なのであるが、実はこの伏線はアンブローズとの対決シーンよりも、自身も決して若くはないジョニー・イングリッシュ(=007)の相変わらずの‘若い女好き’が高じた‘老女嫌い’にかかっていると思う次第である。
「エイリアンのよう」=胃ろう患者で発言―自民・石原氏(時事通信) - goo ニュース
自民党の石原伸晃幹事長が6日のBS朝日の番組で、高齢者の終末期医療でおなかの
外から直接胃に管をつないで栄養を補給する「胃ろう」を受ける患者に関し、「意識がない
人に管を入れて生かしている。何十人も寝ている部屋を見せてもらった時に何を思ったか
というと(SF映画の)エイリアンだ。人間に寄生しているエイリアンが人間を食べて生きて
いるみたいだ」と述べているが、石原は一度でも『エイリアン』という映画を見たことがある
のだろうかエイリアンは人間の体内から食い破って出てきたりしてはいるが、管を通して
人間に栄養を補給したことなど一度もないはずで、このような無知による偏見を政治家が
述べることは、それこそエイリアンのようにイメージが巨大化して世間を脅かすだけで、
高齢者の終末期医療のあり方そのものをどのようにしていくのか具体的な議論の妨害に
しかならない。『エイリアン』シリーズのどこで「管を入れて生かしている意識がない人が
何十人も寝ている部屋」というシーンがあるのか是非聞かせてもらいたいものである。