13年後の審判 刑事弁護のあり方問う 「ドラえもん」の衝撃(産経新聞) - goo ニュース
「無期はほぼキマリで、7年そこそこで地上にひょっこり芽を出す」「犬がある日かわいい犬
と出合った。そのままやっちゃった。これは罪でしょうか」「押し入れに、ドラえもんがいると
信じていた。4次元ポケットで何とか(再生)してくれると思った」。“無期”は決まっていると
思って名字まで変えていた大月(旧姓・福田)孝行の願いは虚しく散ったのであるが、
2012年2月21日の毎日新聞に寄稿されたノンフィクション作家の佐木隆三の指摘は
気になる。「犯行当時18歳1ヶ月だった被告が父親から激しい家庭内暴力にさらされ、
中学1年の時、母親は自殺に追い込まれている。この劣悪な家庭環境が捜査段階から
明らかになりながら、なぜか1審で精神鑑定がなされていない。『裁判を受ける権利』が
正当に行使されたか疑問に思う。」佐木隆三の指摘は的確だと思うが、逆に言うならば、
弁護団は大月孝行とのかかわりあいの中において精神鑑定を受けさせる必要を感じない
ほどに大月孝行が“聡明”であると認識していたということであろう。大月が知人にあてた
手紙の比喩は比喩としては上手過ぎて、“ドラえもん”発言は下手過ぎたのである。