荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE
2012年/日本
借りることと愛すること
総合
60点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
主人公の市ノ宮行は父親の市ノ宮積が代表を務める市ノ宮グループ「株式会社GOES」の取締役社長を担っているが、積は息子であっても甘やかすことはなく、1分の遅刻をしても「他人に借りを作るべからず」という市ノ宮家訓を引き合いに出して息子に徹底させる。
市ノ宮行は父親の教えを守り、他人に借りを作らないように努め、河に落ちてニノに救われた借りを返すために、ニノに家を買って与えようとするのであるが、ニノが求めてきたものは「私に恋をさせる」というものだった。
やがて明らかにされることは市ノ宮積が「他人に借りを作るべからず」という市ノ宮家訓に拘っていた理由が、交通事故で妻を失ったショックが余りにも大きかったために、大切なものを抱えていると失った時の心の傷がなかなか癒えないことを知ったためなのであり、息子にはそのような苦悩を味わって欲しくなかったからである。しかしリクと呼ばれるようになる息子の行は行の母親の面影を持つニノを通して、河川敷(=margin)を不法占拠するという‘借りを作る’ことが人を愛する‘余裕(=margin)’を作ることだと知るようになる。ニノに恋をさせることが亡き母親に可愛がられることに繋がり、目的を果たしたニノという金星人は行の母親と同様に行の目の前から消えてしまう。
ところで市ノ宮積の時間の厳密さに引けを取らない、村長の本作自体の2回の時間経過の‘時報’は、以上のことを考慮するならば却って余計に感じてしまい、そんな暇があるならば、てぐすねひいて待っているはずのマリア、P子、ステラ、ジャクリーンという良質のキャラクターをもっと‘愛して’欲しかった。
ホイットニー・ヒューストンさん死去=米ポップス界の女王、グラミー賞6度(時事通信) - goo ニュース
もちろんホイットニー・ヒューストンの若すぎる死の要因はドラッグなど様々あるだろうが、
1985年の21歳の時のデビューアルバム『Whitney Houston』からの圧倒的な声量に
よるライヴパフォーマンスが素晴らしかっただけに、2000年以降に体調を崩してから
なかなか全盛時のパフォーマンスを再現することが出来ずに、実際に2010年から
始まったワールドツアーでは息が切れが目立ち、不本意のまま終わってしまったはずで、
同様に全盛期のライヴパフォーマンスを再現しようと試みる前に不慮の死を遂げてしまった
マイケル・ジャクソンを想起させる。このように“全力投球型”のミュージシャンは老いて
きてからが大変なのであるが、例えばボブ・ディランなどはデビュー当時から歌い方が
“適当”であるために、70歳で迎えた2010年の「ネヴァー・エンディング・ツアー」でも、
何を歌っているどころか何の曲かも分らなくても“味がある”として評価されてしまうのだから
ボブ・ディランはずるいとは言わないが、ホイットニーやマイケルが気の毒に思うのである。