逆転裁判
2012年/日本
‘無難な演出‘の是非
総合 70点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
元々は法廷バトルアドベンチャーゲームである『逆転裁判』は、主人公の弁護士の成歩堂龍一を初めとする登場人物たちが非常に濃いキャラクターであるが故に、ストーリーも相当シュールなものになるのであろうと想像していたのであるが、意外と真っ当な法廷劇が展開された。
急増する凶悪犯罪に対応するために政府が、3日間で弁護士と検事が証拠と証拠をぶつけあいながら判決を下す制度である『序審裁判』を導入したという伏線は、やがて法を犯してでも容疑者を起訴しようとする狩魔豪という、40年間無敗の経歴を持つ伝説の検事を生み出すことになるのであるが、御剣怜侍の父親である弁護士の御剣信が、狩魔豪が裁判で提示した証拠の銃痕の真偽を確かめるために、裁判を通じて明らかにすればいいはずなのに、密かに法廷内の証拠保管場所へ行って確かめようとする意図が不明である。
小学生の時の矢張政志の窃盗から狩魔豪の証拠改ざんまで、実は‘悪者’は常に成歩堂龍一の目の前にいる信頼していた人間であることや、霊媒師の綾里舞子を通じた御剣信や、御剣怜侍の誤解など、‘正義’も勘違いするという皮肉が効いてはいるが、キャラクターやゲーム性を活かすことを優先させた演出により、せっかくの真っ当な法廷劇のスリリングさが失われているような気がする。
使われているギャグも古臭いように思う。例えば、フリーの雑誌記者の小中大を演じた鮎川誠が法廷で2度も自分が飲んだレモンティーに言及している理由は、鮎川がギターを務めるシーナ&ザ・ロケッツの代表曲に「レモンティー」があるからなのだが、このギャグを理解出来る若者が多いとは思えない。観客層のターゲットをどこに絞っているのか判断に苦しむが、三池崇史監督が今後このような‘無難な演出’に甘んじるほど落ちぶれていないことを信じたい。
20年五輪計画 メーン会場、国立改修 原発リスク「極めて低い」(産経新聞) - goo ニュース
再び2020年の五輪招致ネタである。今回は選手村を44ヘクタールに拡張した上に、
都内の31競技会場のうち28会場を、選手村を中心に半径8キロ以内に収め、「究極の
コンパクト五輪でストレスフリーの大会を選手に約束する」そうであるが、同じように立候補
しているマドリードも36競技施設のうち既存施設が27と多く、新たな技術を用いて警備や
輸送などの運営を簡素化する「スマートな五輪」とのコンセプトを打ち出しており、更には
招致費用が3860万ドル(約30億5000万円)で、75億円の東京より大幅に低い。
75億円を五輪招致に費やすのであるならば、そのまま復興支援に回せば良いと思うのは
私だけではないだろうし、福島第1原発事故の影響については、昨年12月に政府が
「冷温停止状態」と発表した事を根拠に「大会へのリスクは極めて低い」と思っているのは、
東京招致委の水野正人専務理事くらいで、日本人も外国人も誰も「冷温停止状態」などと
信じてはいないであろう。先日、東京大地震研究所が、首都直下型などマグニチュード
(M)7級の地震が南関東で4年以内に発生する確率が70%に高まった可能性があるとの
試算を出したのだが、地震や津波による大会中断のリスクも「低い」としていることも謎だ。