MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ディストピア パンドラの少女』

2017-07-07 00:53:06 | goo映画レビュー

原題:『The Girl with All the Gifts』
監督:コーム・マッカーシー
脚本:M.R.ケアリー
撮影:サイモン・デニス
出演:セニア・ナニュア/ジェマ・アータートン/パディ・コンシダイン/グレン・クローズ
2016年/イギリス

どんな時代でも重宝される教育の重要性について

 未知の細菌によって汚染された人類は思考を奪われ人肉を喰らう「ハングリーズ」と呼ばれるゾンビと化し、感染を免れた少数の者たちは基地の中で暮らしている。彼らの唯一の希望は母親が妊娠中に感染した後に産まれた知性を持つ、メラニーを初めとする「ハイブリッド」の子供たちで、ヘレン・ジャスティノーが教育をしている傍らでキャロライン・コールドウェル博士は彼らの脳と脊髄を利用してワクチンの開発を目論んでいる。
 ハングリーズに基地を襲撃された後、辛うじて逃れることができたメラニー、ヘレン、キャロラインはエディ・パークス軍曹と彼の部下のキーラン・ギャラガーと共にロンドンにある基地に向かう。途中で無人の施設を見つけた5人はそこで休憩を取るのだが、食料を探しに行ったギャラガーはゾンビと化した子供たちに襲われる。ギャラガーを助けに来たメラニーはギャラガーへの周到な襲い方を見て子供たちが「ハイブリッド」であることを確認する。
 アイロニーに満ちたオチに関しては敢えて言及しないが、燃え上がる木を背景にメラニーとパークス軍曹が対峙するシーンは、『ウルトラセブン』の最終回「史上最大の侵略(後編)」のモロボシ・ダンとアンヌ隊員の別れの場面を想起させる。自分が「異星人」であることを認めたダンに対して、パークス軍曹は「異星人」になることを拒絶するのだが、このような感想に共感してくれる人がはたしているだろうか。


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