MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『殺し屋狂騒曲』

2017-07-17 23:45:44 | goo映画レビュー

原題:『Bravo, Virtuoso!』
監督:レヴォン・ミナスィアン
脚本:レヴォン・ミナスィアン/ステファニー・カルフォン
撮影:ムコ・マルハスィアン
出演:サンヴェル・タテヴォスィアン/マリア・アフメトジャノワ/ヴレジュ・ハコビアン
2016年/フランス・アルメニア・ベルギー
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017)

 「名演奏家」と「射撃の名手」の相性の悪さについて

 主人公でクラリネット奏者のアリク・ダリアンが所属するオーケストラのパトロンに会いにいき、丁度電話をしていたパトロンに「5分後に来て」と言われたアリクがトイレに立ち寄り、再び戻ってくると殺されているパトロンの死体を発見し、その場を離れるまでのワンシークエンスショットを見て、かなり期待値は上がる。
 ところがクラリネット奏者の「名演奏家(Virtuoso)」だったアリクが「名手(Virtuoso)」と呼ばれる男の携帯電話を手にしたことから殺し屋に間違われるのだが、同時に手に入る大金がコンサートホールの賃貸料に使えることから殺しはしないまでも拳銃も手にするようになり、さらにララという娘を持つ会長が率いる「退役軍人協会」に狙われる目まぐるしい展開のストーリーはあちらこちらに飛んでなかなか追いついていけない。上映後の監督自身の説明によると、本来はもっと長いらしいのだがインターナショナル版はだいぶ短縮したようで、スタイリッシュな映像表現は評価するが、アリクに苦悩が感じられずストーリーに深みがあるのかどうかは怪しい。


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