原題:『22年目の告白 -私が殺人犯です-』
監督:入江悠
脚本:入江悠/平田研也
撮影:今井孝博
出演:藤原竜也/伊藤英明/夏帆/野村周平/石橋杏奈/竜星涼/岩城滉一/仲村トオル
2017年/日本
「セブン」的な「サイコ」について
なかなかネタバレなしで論じるのが難しい作品ではあるが、分かりやすく簡潔に例えるならば、『セブン』(デヴィッド・フィンチャー監督 1995年)になり損ねた『サイコ』(アルフレッド・ヒッチコック監督 1960年)といったところだろうか。
しかし例えば、主人公の曾根崎雅人に怨みを持った岸美晴が曾根崎の告白本のサイン会でのどさくさに紛れて会場の裏で曾根崎をナイフで刺そうと試みた時、現場にいた刑事の牧村航に取り押さえられ、牧村は怪我をしても知り合いということで美晴を見逃したのはいいとしても何故曾根崎が暴漢に襲われたことを訴えないのか考えると、そこから綿密な「ストーリー」の綻びが垣間見えたりするのではある。