MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『嘘八百』

2018-01-20 00:21:57 | goo映画レビュー

原題:『嘘八百』
監督:武正晴
脚本:足立紳/今井雅子
撮影:西村博光
出演:中井貴一/佐々木蔵之介/森川葵/前野朋哉/友近/坂田利夫/木下ほうか/近藤正臣
2018年/日本

映画そのものが「嘘八百」になる是非について

 主人公で古物商「獺」を東京で営む小池則夫は娘の大原いまりと共に大阪の堺にやって来る。たまたま見つけた旧宅の蔵の持ち主である野田佐輔と出会い、桐箱の手紙から「幻の利休の茶碗」を見つけたと思い、野田から安値(といっても100万円)で買ったのであるが、すぐに騙されたことを知る。
 野田の行きつけの居酒屋には贋作を制作するためのチームがあることを知った小池は、野田の息子の誠治といまりが睦まじくなったことも手伝って野田とダッグを組んで因縁の相手である大御所鑑定士の棚橋清一郎と「樋渡開花堂」の社長の樋渡忠康を騙す策略を練る。
 そしてまんまと騙して1億800万円を騙し取るところまでは良かったのであるが、その後の誠治といまりの結婚するシーンあたりから奇をてらい過ぎたためなのか訳がわからなくなる。2人の結婚式に乗り込んできた女性は則夫の妻の陽子である。誠治は面識がないから見知らぬ女性の闖入に困惑するばかりで、これは両親が娘の結婚を破談にする目的のはずだが、いまりは自分の母親であることが分かるはずで、尚且つ誠治のことが好きだったはずだから辻褄が合わない。
 空港で誠治が投げて渡したバッグも持っていまりが則夫と佐輔を残して搭乗するシーンを見た時には、いまりが1憶円を独り占めするつもりなのかと思ったが、その後、いまりが乗ったと思われる飛行機を則夫と佐輔が見送るシーンにも違和感がある。誠治はどうなったのかと思ったからで、エンドロールの後に、カバンを開けられて中身をチェックされているいまりのいる部屋に笑顔の誠治が現われ、いまりも笑顔で答えるのであるが、誠治が現われたからといってお金の出所が不問にされるわけでもない。
 見間違いでなければイギリスのバイヤーのピエールと野田康子が逃避行していたはずだが、とにかくラストがすっちゃかめっちゃかで最後の最後で訳が分からなくなった。


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