MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『DESTINY 鎌倉ものがたり』

2018-01-08 00:07:47 | goo映画レビュー

原題:『DESTINY 鎌倉ものがたり』
監督:山崎貴
脚本:山崎貴
撮影:柴崎幸三
出演:堺雅人/高畑充希/堤真一/安藤サクラ/田中泯/中村玉緒/吉行和子/橋爪功/三浦友和
2017年/日本

何でも「妖怪のせい」にする風潮について

 『鋼の錬金術師』(曽利文彦監督 2017年)の最大の失敗はヨーロッパを舞台にしたことだと思う。日本映画はハリウッドが絶対に再現できない場所を舞台にするべきで、その点では本作の「鎌倉」は悪くはないし、『銀魂』(福田雄一監督 2017年)の興行的成功も舞台が江戸時代だったからだと思う。
 しかし本作はストーリーが酷過ぎる。例えば、主人公の一色正和はミステリー作家を生業とする傍らで警察の捜査にも協力していたのであるが、難事件の解決方法が尋常では考えられない有様で、確かに魔物や幽霊が事件に関わっているとなると何でもありとなるが故にミステリーとしてはしらけるだけで全く盛り上がらない。
 例えば、ラストにおいて妻の亜希子を取り戻すために黄泉の国に行った正和が天頭鬼と対峙した際に、2人を助けるのが貧乏神がくれた茶碗なのであるが、貧乏神の茶碗が2人を助ける動機がよく分からない。
 橋爪功
と吉行和子を夫婦としてキャスティングしたのは、『家族はつらいよ』(山田洋次監督)を意識したものだと思われたが、結局ネタとして使わなかったように、あらゆる伏線が置き去りにされたままで面白みに欠けるのであるが、これはいわゆる「妖怪のせい」なのか?


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