原題:『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』
監督:志水淳児
脚本:小沢高広
出演:森久保祥太郎/茅野愛衣/上坂すみれ/関俊彦/小清水亜美/花江夏樹/藤原啓治/石塚運昇
2018年/日本
魅力的なキャラクターを映画で活かしてもらえない原作者について
『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(上堀内佳寿也監督 2017年)同様に本作も「パラレルワールド」が描かれているのであるが、これは子供向けの作品に流行っている物語の「雛形」なのかどうかはよく分からない。
主人公の兜甲児には弓さやかという恋人がおり、さやかの想いをよそに兜甲児の気持ちは学者として仕事に打ち込んでいる様子であるのだが、それはラストの伏線へつながるとしても、子供向け作品に似合わず妙に生々しいのは既に大人になった昔からの「マジンガーZ」ファンをも取り込む目論みだったのだろうか。しかしこの挿話だけが全体的に浮いてしまっている。
しかし個人的には冒頭で剣鉄也が操縦するグレートマジンガーが敵と戦っているシーンにおいて空間を埋め尽くすほどに現れる敵の機械獣の「無数さ」に笑ってしまい緊張感を失い、さらに「光子力」というものが原子力系のエネルギーなのか再生可能エネルギーなのか曖昧なのはともかくとしてもあれほど機械獣がいるならばマジンガーインフィニティが必要なのだろうかと思ってしまった。
唯一良かったことといえば主題歌を水木一郎に歌わせたことくらいかもしれないくらいで、本当に不幸にも永井豪原作の映画化はどれも上手くいっていない。