原題:『Wonder Woman 1984』
監督:パティ・ジェンキンス
脚本:パティ・ジェンキンス/ジェフ・ジョーンズ/デヴィッド・キャラハム
撮影:マシュー・ジェンセン
出演:ガル・ガドット/クリス・パイン/クリステン・ウィグ/ペドロ・パスカル/ロビン・ライト
2020年/アメリカ
性別による見る夢の違いについて
「何でも一つだけ願いを叶える」と彫られている古代の遺物「ドリームストーン」を巡る、ダイアナ・プリンス(=ワンダーウーマン)と彼女の同僚のバーバラ・ミネルヴァと「ドリームストーン」を狙っていた事業家のマックス・ロードの三つ巴の争いが描かれており、バーバラが自分自身を変え、ダイアナが亡くなった恋人のスティーブ・トレバーを甦らせたことに対し、マックス・ロードの願いが「ドリームストーン」そのものになる(=神になる)という掟破りの願いを叶えるあたりまでは良かったのであるが、ラストになってテレビに映っているマックス・ロードに祈るだけで視聴者の願いが叶うようになって設定が「大味」になった感は否めない。
しかし恋人を甦らせた代償としてダイアナの超能力が低下するという設定は『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』(谷垣健治監督 2020年)には見られなかった正確なドラマツルギーである。
ゲイリー・ニューマンの「M.E.」を和訳しておきたい。
「M.E.」 Gary Numan 日本語訳
俺はといえば塵を食べ
俺たち全員が疲れ切っている
俺はそれを自分の死と呼ぶつもりだが
俺はただ消滅するだけ
一人で消え去りたくはない
今はただ俺がいるだけ
俺たちは自信満々で
俺たちはかなりワルだったが
もはや見ている者もいなければ
死ぬ奴でさえ残っていない
ただ俺がいるだけ
何故俺は気にしなければならないのか?
何故俺は試してみなければならないのか?
俺はおまえたち全員をうんざりさせたように
痛みを消し去った
今はただ俺がいるだけ
Gary Numan - M.E. | Live in Sydney | Moshcam