MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アンチ・ライフ』

2021-01-26 00:47:29 | goo映画レビュー

原題:『Breach』
監督:ジョン・スーツ
脚本:エドワード・ドレイク/コーリー・ラージ
撮影:ウィル・ストーン
出演:コディ・カースリー/ブルース・ウィリス/カラン・マルベイ/レイチェル・ニコルズ
2020年/アメリカ

失敗する「父親殺し」の物語について

 西暦2242年の地球は滅亡の危機を迎え、5000万人が移住する「ニュー・アース」に向かう最後の宇宙船に主人公のノアと彼の子供を妊娠している恋人のヘイリーは2人とも乗船できるのであるが、実はヘイリーは艦長のアダムス提督の娘で、ノアは娘との関係を隠して密航したのである。
 ゾンビの要素を取り入れた『エイリアン』(リドリー・スコット監督 1979年)といったテイストだが、宇宙船に30万人が乗船しているようには見えず、ゾンビたちを倒すために最初から鉄をも溶かす洗浄剤を使えばいいのにとも思うのだが、ノアが眠りから醒ましたアダムス提督もゾンビと化しノアとヘイリーが戦うために対峙したことで、本作は娘を奪おうとする男の「父親殺し」の物語だったことに気がついた。
 だから「ニュー・アース」に到着したノアとヘイリーがそこに佇んでいた娘のゾンビに襲われる理由は、ヘイリーが子供を産むことでノアがアダムス提督の立場に追われるからだと思うのだが、あまり上手く描けているとは思えない。


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