原題:『天外者』
監督:田中光敏
脚本:小松江里子
撮影:山本浩太郎
出演:三浦春馬/三浦翔平/西川貴教/森永悠希/森川葵/榎木孝明/宅間孝行/かたせ梨乃
2020年/日本
偉人伝と映画の相性について
主人公は江戸時代末期から明治時代の中頃まで実業家として活躍した五代友厚(1836年生まれ)で2024年度発行予定の新一万円札の肖像に選ばれた実業家の渋沢栄一(1840年生まれ)と同世代なのだが、五代がそれほど知られていないのは渋沢が91歳と長命だったのに対して五代は49歳で亡くなっているからかもしれない。
五代友厚という人物を知る上では本作はよくまとまっていると思うのだが、まとまり過ぎていてテレビドラマのダイジェスト版を見ている感はあって、例えば、トヨと出会ったと思ったら次のシーンでは結婚していて、次のシーンでは既に2人も娘がいるのであるが、実は五代はトヨの前に坂本広子と結婚しており、もやはストーリーに入れる隙さえないのであり、あるいは友人の坂本龍馬が暗殺された近江屋事件がワンカットで処理されたりしており、映画としての醍醐味を期待してはいけない。