青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

焼け石にミソ 春の新潟・粟島探訪その①

2010年05月05日 10時00分00秒 | 日常

(画像:粟島汽船・フェリーあわしま)

はい、おまっとさんでしたって事で今回の遠征報告をば。
トップ画像は5月2日の岩船港、10時発の粟島行き「フェリーあわしま」から。

5月1日に日付が変わった瞬間家を出て、前の日は北信越の春を撮り歩いて来た私。
前日は夜に仕事を終えた山小屋氏を誘って夕食→長野の健康ランド泊→長野の山小屋氏をピックアップしての岩船入りである。
とりあえず今回はチャリで島を一周すると言うミッションがある訳ですからスタミナつけなあきゃね、って事でゆうべは牛角でガッツリ牛食って、ニンニクの臭いをプンプンさせながらひっさしぶりに健康ランドなんか泊まってみたんですが、薬草風呂に股間をやられましたwってか薬草風呂って健康ランドには付き物ですよね(笑)。なんであんなヒリヒリするんでしょうねえ…別に股間に特に疾患はないはずですが。

出航一時間前に予定通り到着した我々が荷物を降ろしていると、颯爽と折り畳み自転車に乗ってハギーさんが意気揚々と登場(笑)。
3日前に緊急参戦を決めていただきましたが、三重から乙ですなあ。

岩船港~粟島は高速船とフェリーが就航してますが、GW期間中は一日4往復便に増便されていて、そのうち3往復は高速船で一往復がフェリー。んで、この10時発の便はフェリーなんですが、結構な乗船率でした。観光協会の女性は「混まないから心配すんな」的な話をしてたけど…やっぱ一応ハイシーズンって事なんでしょうかね。天気もいいし。

いっちばん安い2等のキップでいいよね、って事で乗船したが、2等船室はすでに満員なので甲板に回される。みんなゴザを敷いて用意がいいなあ!って感心してしまったのだが、甲板の一角にはゴザが大量に積まれていた(笑)。最初っから混んでいる時はこんな風にするのがスタイルらしいのだが、外人に見られたら「Oh!ジャパニーズボートピープル!」とか言われてしまいそうだなw山小屋氏が曰く「G1の時の競馬場みたいっすねえ」と…あぁ、そう言えばこの雰囲気、どこか懐かしい(笑)。ウノでもやるかw

  

船は岩船港から好天の日本海に繰り出し、右に瀬波温泉と笹川流れ、うっすらと雪の飯豊連峰を望みながら走る。風は爽やかにて海は青く、凪の日本海を眺めながら1時間半の船旅は天気が良ければ甲板席でも文句なし。沖合ではうねりのせいで多少船も揺れるが、冬を思えば実に穏やかな鏡のような日本海。船の左舷前方に目指す粟島が見えて来た。

  

島開きのイベントの一環として、粟島11時半到着のフェリーは島の漁船団によるお出迎え海上パレードにて歓迎を受けます。大漁旗で装飾をした船が周りをグルグルと並走する風景、船の上から満面の歓迎の挨拶を受ける我々。こういう勇壮な海の男の風景を見ると、ビジュアル的にどうしても矢崎滋を探したくなるのはしょうがないのだろうか。さっきから白鶴「まる」のCMソングが頭の中でエンドレスで鳴りっぱなしですよw
約20分のパレードで、観光ムードを盛り上げつつ粟島の港へフェリーは無事入港。港ではフェリーの客を待ち受ける民宿の人、里帰りを待つ島民などが入り混じってカオスな状況。我々が宿泊する民宿は○△館、そうなると港にセツ子が出迎えに来ているはずだ!探せっ!…って事で目をこらして人込みの中からその姿を探す。

セツ子いた~(笑)。

漁師の妻らしいほっかむりがポイント高いw

  

既に港ではイベントが始まっていたのだが、この「島びらき」ってのは年イチの行事らしく、地元の小中学生の踊りから始まって村長の挨拶、そしてフェリー乗船時に配られた抽選券を使っての鮮魚の抽選会と盛りだくさんの内容で祭は進む。島の小中学生全員が踊ったよさこいソーラン、粟島浦村小中学校の全校生徒は15人だとか…村長は勝手なイメージでもっと漁師みたいなじいちゃんを想像していたのだが、意外に若く島には似つかわしくないような公務員然とした方であった。島の盛り上がりに乗ってとりあえず村長コールはしておいたが、次の選挙には投票権がないのであしからずw
抽選会は10人に3~5kgのブリがそのまんま贈呈されると言ういかにも島らしい豪快なイベント。当たったら宿でセツ子に捌いてもらおうかなんて淡い期待は残念ながら全員のハズレという結果で終了。唯一ハギーさんが残念賞の竹酢液に当選したのだが、思えばこれが粟島伝説の始まりだったのかもしれないw

  

抽選会が終わればちょうど昼時、島の名物の「わっぱ煮」を頂くこととしましょうか。
わっぱ煮とは粟島の郷土料理で、焼いた魚をお湯とともに「わっぱ」と言われる木を曲げて作った器に入れ、味噌を溶き入れた中に焼けた石をぶち込んで豪快に煮上げると言うもの。港の一角には即席の露店が立ち並び、島名産の海産物を焼く香りが漂っている。抽選会の会場から一気にほとんどの客がわっぱ煮を求めて行列してしまったんで、島の人たちの段取りが全く取れずてんてこまいになっていたのはご愛嬌か。普段はこんなに人来ないだろうしねえ。

とりあえず、わっぱ煮いただきま~す。

普通は熱いものは食ってれば冷めて行くものだが、焼け石のせいで汁はどんどん熱くなって、煮込まれた魚のダシがどんどん出て来て汁が濃厚になって行くのが美味しいところでしょうか。わっぱの中からはみ出している魚の切り身は何の魚だか分からないが、聞いても分からないと言う事だった(笑)。分かんないもん人に食わすなよwまあ漁師料理ですから、獲れた魚で作ると言う事で決まったレシピはないんでしょう。聞いてもまさに焼け石に水と言う事か。いや、焼け石にミソだね。
たぶん食った感じはスズキ(鱸)かなとも思うが、カワハギだったりアイナメだったりクロダイだったり、人によって入ってるものは違っているみたいで、それがまたわっぱ煮のいいところなんでしょうね。まあしかし気ぃ付けて食わないと口の中のあらゆる場所に魚の骨が刺さりまくる料理だなこれw魚嫌いには地獄のような食いモノだが、そもそも魚嫌いな人はこんな島には来ない方がいいです。塩っ辛いダシの利いた汁でビールが進みますな!

腹もくちたところで村役場に出向き、レンタサイクルを所望。
島内一周2時間半から3時間であるそうだが、坂の加減で時計回りの方がスムーズだってのは事前にリサーチ済み。普段運動と言う事から遠く離れて三千里くらいの我々(あ、ハギーさんは違うか)ですから、少しでもイージーな方向を模索するのは当然の理。もうちょっとマシな自転車かと思ったが、貸し出されたのは潮風にサビの浮いたオバチャリだったwまあ、変速3段付いてるだけマシですかね。

ほいじゃあ、粟島一周レッツゴー!

続く。

コメント
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