(画像:粟島浦村備品×2、私物×1)
って事で、村役場でチャリンコを借りた我々は島一周ツーリング(ツール・ド・粟島)に繰り出した訳ですが…
特に優勝したからと言って何が出るって事もなく(笑)。
あ、一周し終わったところでハギーさんにリアルゴールド250ml缶を奢っていただきましたけど、ひっさしぶりに運動した後の一杯は美味いね!
まずは南周道に沿って内浦の集落から南下。粟島マップを参照していただくと分かりやすいかと。キャンプ場やバンガローの立ち並ぶ中を進むと、ゴロタ石の浜辺と右側は切り立った山の斜面。右側の山は島最高峰の小柴山(265m)、山の上には粟島灯台があるらしいが、サイクリングコースからは見えませんです。左の海の向こうには遠く本土が霞んで見えますが、たぶん羽越本線の勝木のあたりが対岸となるんでしょうかね。
正直、東海岸沿いは島の南端までゴロタ石の浜辺が続くだけでさしたるトピックスもなく、コースも平坦だし淡々とダラダラ走って行ける。のだが、呑気に走って来た我々を阻む難関が15分程度で出現する。国土地理院の地図で見るとこの辺りになるんですかね…ここから矢ヶ鼻と言う岬の上まで一気に上がって行かなければならないのだが、いきなりの大ボス出現にさっそく自転車を降りて歩いたのは言うまでもない(笑)。
坂道の途中から汗だくにて振り返っての一枚。
この光景を見てまず思い浮かんだのは、「鍛えて最強馬を作る」という言葉でした(笑)。
地図を見ると、1kmで80mを登るこの坂道。ミホノブルボンなら、こんくらいの坂路調教は朝飯前なんでしょうが…
矢ヶ鼻の上に登り切り、岬の上の展望台から八幡鼻を俯瞰する。矢ヶ鼻はこの島の最南端に当たるのだが、最終的にはこの島の最西端である八幡鼻へはサイクリングコースからチャリンコを捨ててさらに木造の階段と桟道を歩いて行かなければならない。行く末の苦難を見て、とりあえずここで山小屋氏落伍(笑)。八幡鼻へのアプローチはどう見てもRPGっぽい感じが素敵で、思わずハギーさんに「邪神の像持って来た?」と確認してしまったよ(笑)。天にかざしたら目の前の海あたりがバカーッと割れてハバロフスクあたりまで行けるんでしょ?
八幡鼻の展望台は、粟島の中でも最高の夕陽スポットだそうだが、時間が早すぎて霞に煙る海しか見えず。まあそれでもパッとしない東海岸と比べてここから見る西海岸の風景はいかにも奇岩の続く景勝地と言った感じで、ここからのサイクリングに励みとなろうものです。
八幡鼻の展望台から戻り再びチャリンコに乗車。既に膝は「きみまろ傑作選」を聞き続けたババアの如く笑いっぱなしなんであるが、こっから釜谷の集落に向けては下りなんで、風を切りながらサーッと走り抜けて行くと心地いい風が汗ばんだ体を撫ぜる。これがサイクリングの醍醐味かねって感じ。粟島第二の集落(って言っても二つしかないんだが)である釜谷の集落は非常に人の気配も薄く、子供がじいちゃんと商店の前でひなたぼっこをしているようなのんびりとしたものでした。
西海岸側に出ると海岸線には浜辺も薄くなり、外海に削られた海蝕崖や節理が並ぶ岩礁海岸が続く。写真は切石鼻から見た立島。この周辺はオオミズナギドリとウミウの繁殖地として、天然記念物に指定されているそうな。海鳥以外にも、日本海にぽつりと浮かぶこの島はバードウォッチングの好適地として人気であり、結構立派なバズーカ砲を持ったバードウォッチャーがウロウロしていましたな。
西海岸のサイクリングコースは海蝕崖の上にほぼ等高線通りに敷設されており、比較的走りやすい。
霞んでいた空も青さを取り戻して澄み渡り、午後の長い日射しを背に快走、快走。
のんびりカメラを撮りながら走っている私はときどき置いてかれます。
西海岸随一の景勝地、仏崎から立島を望む。
昔々のその昔、この海で素潜り漁をしていた内浦の村人である六蔵さんが、いつものようにヤスを使ってエイヤっと突き刺した…のは獲物じゃなくて観音様だった!まあびっくり!みたいな話があって、ほいでもって六蔵さんは獲ったど~!とばかりに観音様を内浦の集落に持って帰り、たいそう手厚くお祀り申し上げたそうな。それ以来この岬を「仏崎」と言うそうなのだが、今でも内浦の集落には「やす突き観音」としてこの海で上がったらしい観音様が祀られている。ってか観音様もヤスで突かれたらちったあ怒ってもいいと思うよ(笑)。
まあそんな理由でこの岬には何ともありがたそうな御利益ありそうな名前が付いているのだが、そんなパワースポットで奇跡が起こる。
詳細は本人に譲るw
そんなこんなでツール・ド・粟島も終盤戦、島の最北端である鳥崎へ。
すっかり晴れ上がった空、左に右に広がる青い海は、紛れもなくこの島のはしっこにいる事を実感。
海に浮かぶブイは「大謀網」と言われるこの島独自の定置網漁の仕掛け。
5月辺りから最盛期を迎えるこの漁で水揚げされるのは天然のマダイだそうです。
と、言う訳でめでたく島の最南端と最北端を制圧した事を祝し、御一行様で記念撮影。
あとは坂道を内浦の集落まで降りて行くだけです。
約3時間の島一周、確かに普段運動してない自分にはキツかったけど、普通の人なら20km程度のサイクリングってのはまずまず手頃な運動と言った感じじゃないでしょうか。10kmじゃ短いし、30kmじゃヘタれるでしょう。実際ハギーさんは一昨年の真夏に一周50km近くある隠岐島をチャリンコで一周して翌朝血尿出たらしいですからw
自転車を返却した後は島唯一の娯楽施設と言っても過言ではない「漁火温泉・おと姫の湯」へ。
汗を流すのと同時に、入念にストレッチやっとかないと明日は鬼のような筋肉痛が待っているだろうからなあ…
夕方の「おと姫の湯」は、島人観光客入り乱れての盛況。海の温泉らしい塩辛く熱い湯に浸かりながら入念にストレッチをしていると、いい感じで出来上がった白髪髭面のじいさんに山小屋氏が引っ掛かった。彼は「へき地のジジババゲッター」と言っても過言ではないほど私と方々に出掛けてはあっちこっちのジジババに話しかけられまくる人なのだが、今回も面目躍如と言った感じか。手頃な話し相手を見付けたオヤジは早口でまくし立てるのだが、当然その意味はさっぱり分からない。
「まぁっとわけえのこなあもんでさかなばっかあやしゅうとねも、なもさんまからしゅうてねろさぁ!!」
「そうですね~」
「わしゃなんもきょうもしちょうよびーる5はい!5はい!のむねえつぐったらえのさぁやまぁひっぱっちぇ7おぐも!」
「そうなんですか~!」
私にはこう聞こえた(笑)。
ってか、相槌打ちゃいいってもんじゃないぞw
笑っていいとも!の会場じゃねえんだから。